第8-2話 ショップ機能キター!
「えっと、もう一つは……ショップ機能か!」
Eランクになったことによるもう一つの特典は、ショップ機能の開放である。
ショップ機能とは、世界中の人々とショップ機能を通して自由に商売ができるシステムであり、利用者はものすごく多い。
早い時には買ったものが即日届く時もあるし、何よりさまざまなものが手に入る。普通に外に出かけて買うよりも値段が少し高いのがネックではあるが、それでも使う価値はある機能だと言えるだろう。
ちなみに、魔界と人間界は別々の世界であると認識されているので、魔界にいる俺は人間界のの人々と取引をすることはできない。全然構わないね。
魔族の集落に行く勇気の出ない俺からすると、この機能はめちゃくちゃ便利だ。Eランクという早い段階で使えるようになってよかったぁ……。
ちょうど、ボア肉の臭みを消すための胡椒や、味付けのための調味料、香辛料が欲しかったところだし、本当にありがたい。
それから、ストレージの中に溜まった魔物の素材を売却することができるのもいいよね。売却すればお金を貯めることもできるし、その金を使って色々と有用な魔法アイテムなどを買うこともできるし、本当にいいことしかないな。
そもそも、ショップ機能がなければ、俺が狩りをして手に入れた魔物たちは可食部以外の使い道がなくなってしまうからな。売って必要な人のところに届けたいものだ。
特に調味料以外に欲しいものがあるわけではないが、気になるので早速ショップを見ていこうと思う。
「色々あるなぁ」
商品棚を見ていくと、武器や防具、魔道具や回復薬や家具、装飾品などなど様々な品が出品されていた。
【ボアの毛皮装備・胴・腕・脚】
・防御力3上昇
・セットボーナス防御力5上昇
☆出品者名:ボア毛皮装備製造会社
○在庫10万セット
○価格10万コイン
○即配送いたします!
【炎龍の鱗装備・頭・胴・腰・腕・脚】
・防御力500上昇
・セットボーナス防御力500上昇
・炎属性耐性
・発熱スキル
・攻撃に火傷効果を付与
☆出品者名:炎のドワーフ
○在庫3セット
(素材が手に入り次第再入荷あり)
○価格5000万コイン
○配送までに時間がかかる。
なんとなく防具一覧を開き、値段の1番安いものと1番高い高いものを比較してみた。
安いものは市販されているボアの皮装備で、高いものはドワーフ製の炎龍装備だった。
5000万コインの装備か……作る方も使う方も夢がある装備だな。もちろん原価も高そうではあるが、5000万もする防具を作れるのなら一生金には困らないだろう。効果も圧巻である。
金に困らない黄金生活。やりたいことが好きなだけできるんだろうな。まさに憧れだ。たまに、豪遊配信とかしてる人いたけど、すげー羨ましかったもんなぁ……。
さらに防具一覧を見ていくと、オークションの欄に先程の炎龍装備よりもお高い防具を発見した。
「なるほど。あまりに希少なものはオークションにかけられたりもするんだな」
「どれどれ、落札価格は……2億!? やっば……」
人間界にいたとき、俺の1ヶ月の稼ぎは25万コイン程度だった。2億もする装備を買えるやつって……何? 一体何者なの?
しかし、今や俺だってEランクの配信者だからな。この調子でどんどんランクを上げていけば、高い装備もいつかは買えるかもしれない。
まあ、スキルで変化した部分に装備していた防具は一時的に消えてしまうので、防具の存在価値は殆どないんだけど。
そういった事情があり、現在はなにも装備をつけていない。所持品といえば……ボロい鉄の短剣くらいかな。悲し。
この貧弱装備だという点も、アレナさんや他の視聴者に初心者だと勘違いされる所以なのだろう。
まあ、いつかお高い剣を手に入れてやるさ。とりあえず、当分の間は100万コイン貯めるのを目標にしようかな。
「お、胡椒が安く売ってる」
ボア肉を食べながらショップを見ていると、調味料の欄に胡椒が安く売られているのを発見した。早速購入。
これで、ボア肉の臭み問題が多少は解決するといいな。胡椒にしては安いというだけで、普通に高かったし。
お金を貯めると決めたそばからこんなものを買ってしまったわけだが、果たして。俺に貯金はできるのだろうか。
あとがき
※加筆修正の関係で8-2話となっております。
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