第4話 魔界にて初戦闘
【火妖】
相手は植物系モンスターなので、弱点属性は火だ。
スキルを発動させ、右腕を火妖のものへと変化させる。
一度でも倒したことのある魔物に限り、自身の体をその魔物に変化させることができる。これが、俺のスキルである。
「まあ、名声値がGランクのせいでGランクまでの魔物にしか変化できないんだけど……」
魔物の能力だけ使えるような能力だったらよかったんだけどなぁ。そしたら、魔物の醜悪な見た目を引き継がなくて済んだのに。
そしたら、みんなから気味悪がられて迫害されることもなかったのに。
でも、そんな見た目になってしまう代わりに、俺の能力は強い!
Gランクの魔物にしか変化できないけど、色々と工夫して戦うことでAランクの魔物を倒したこともある。
でも、それはあくまで人間界のAランクだ。魔境と呼ばれし魔界の魔物が、人間界と比べてどれほど強いのかは未知。
「いきなり接近するのは危ないよな……」
魔物がどれだけ強いのか。どんな反撃が飛んでくるのか予想ができないので、狙いのモンスターたちから距離を取る。
そして、腕に宿った火を燃え上がらせ、魔物たちに放出する。
するとやがて、赤い炎が植物たちを包み込んだ。人間界の基準でいくと、全ての植物が燃え尽きて灰になった頃だろう。
しかし、ダメだった。あの火も俺の一部であるためか、何も燃やせていないことが感じ取れる。
「やっぱりダメか……」
しかし、これくらいは想定内だ。Gランクの力でも、魔界の魔物を倒す工夫くらいはできるはず。
まずはとりあえず、火力を上げるために火を追加しようか。
【火霊】【火妖】
右腕には火霊、左腕には火妖を宿らせ、二つの火を合成する。炎がゴウ! と燃え上がり、赤炎が青炎へと変化した。
【風妖】
そして、炎を放出したと同時。両腕の変化を解除。
その後、瞳を風妖に変化させ、その力で風を巻き起こし炎を強くしていく。
火妖、火霊の変身を解いたので燃やした感覚は伝わってこないが、焦げた匂いが漂ってきている。炎が効いている証拠だな。
反撃が来ないので、そのまましばらく放置していると、炎が消えた。
煙が晴れるとそこには、広範囲に広がる焦げて黒くなった大地と、ドロップアイテムが残っていた。
生き残った魔物はいないようなので、ドロップアイテムを拾っていく。かなりの数だ、相変わらず全てを拾うことはできないので、選別して鞄にしまっておこう。
「意外と楽だったな……」
楽だった理由としては、植物系の魔物は自分から襲ってくることが少ないことが挙げられる。
改めて考えると、最初に飛ばされた場所としては当たりだったな。
そんなことを考えていると、感情を感じさせないような女性の声が頭の中に響いた。
『名声値が1になりました。Fランク特典が与えられます。』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます