第83話 ダンジョン内で使役した魔物で戦ってみる縛り

「みなさんこんにちは! 今日は鉄のダンジョンに来ています!」


『いぇーい!』

『待ってました!』

『僕も(全裸待機)』

『今日は鉄かぁ』

『もう5日くらい連続で配信してね?』

『それな? しかも毎回ダンジョン一つ攻略してるし、体が心配でやんす』

『でも見てて楽しいし、365日24時間配信してほしい』

『ど畜生で草』

『ど変態もいて草』


 今日は、鉄のダンジョンに来ていた。


 鉄のダンジョンとは、鉄や銀や金など、功績を体に纏った魔物が多く出現するダンジョンである。 


 最近ダンジョンに潜りすぎていたので、たまには珍しダンジョンに来ようという狙いもあってここに来た。


 しかし、ダンジョンの気分転換にダンジョンにくるとは、我ながら頭がおかしいのかもしれない。


 たしか、炎のダンジョンに潜ったのが……5日前くらいだったかな? そこから毎日配信をして、水、風、土、光のダンジョンを攻略した。


 なので、本日は6日目の連続ダンジョン攻略である。しかも、今回潜る鉄のダンジョンはAランク。割と高めの難易度である。


 過去5日間に潜ったダンジョンはどれもBランク以上のダンジョンであったので、新種の魔物が多かった。今日も期待できるというものである、


 ランクが高いということはそれだけに対策を立てたりといろいろ大変だとは思うが、魔物化のバリエーションも増える、大満足な攻略になるだろう。


「はい、コメントありがとうございます! ここ4日間は普通にダンジョン攻略をしました。なので、みなさんそろそろ飽きてきたかなと思いまして、今日はちょっとした企画を持ってきました!」


『おー企画か』

『珍しい』

『結構前にやってた闘技場の縛りプレイ的なやつ?』

『かもね。あれ結構面白かったから期待大』


 今日もダンジョンを普通に攻略するのでもよかったんだが……流石に見ている方も飽きるかなと思い、少し遊びも兼ねてダンジョンに潜っていきたいと思っている。


「本日の企画は『ダンジョン内で使役した魔物だけで戦う縛り』となっております!」


『うぉぉぉぉぉ!』

『うぉぉぉぉぉ!』

『うぉぉぉぉぉぉ!』

『↑お前らどうせ理解してないくせに叫ぶなw』

『その場で使役って、マニアックすぎる縛りであんまり想像つかない』

『ほんとにそれでいけるのか心配だわwここAランクダンジョンなの知ってるで?』

『Aランクダンジョンで企画は草www』

『バケモンやんwってか、テイムできるの?』

『え、テイムまでできるの?』

『従魔師も真っ青の万能さで草』


「色々質問が来ておりますが、見た方が早いと思いますので、早速ダンジョンに潜っていきたいと思います!」


 魔物の中には、上位種に無条件で従うような魔物がいる。例えば、ウルフなんかが代表例としてよく挙げられる。あとは……ゴブリンとか。


 そう言った群れを形成して動く魔物たちの多くは、群れの中で1番強い者に従うことが多い。


 なので、ダンジョン内で見つけた魔物の上位種に変化し、その魔物たちを操ってダンジョンを攻略していくという企画である。


 そんな風に簡単に説明しながらダンジョンに入っていく。すると、早速いい魔物を発見した。


「お! ちょうどいい魔物が出てきました! あれは、アイアンウルフですね。ウルフ系のモンスターは、強いウルフや上位種に従う特性があるのはご存知でしょうか! 今回はその特性を利用して、あの群れを仲間にしたいと思っております!」


【銅狼】


 全身を銅狼に変化させ、遠吠えを挙げた。


 銅狼は鉄狼より一つ上のランクの狼なので、きっとこれで俺に従うようになってくれるはずだ。


『え! すげえ!wwww』

『ガチでゾロゾロ近づいてくるやん』

『wwwwwwwwwwwwww』

『やっばwwww』

『あっという間に群れの主になってて草』

『すごくね? 初めて知ったんだが』

『魔物への知識や理解度もハンパねえな』


 よし、いい感じで鉄狼がたくさん釣れたな。ここの階層は鉄狼しか出なさそうなので、ここで仲間をたくさん集めてから次の階層に行くことにしよう。


 遠吠えを上げながら回想を練り歩き、気がつけば100匹の鉄狼が俺に従って行動していた。すっかり大群である。これなら、次の階層に行っても平気だろう。





あとがき


ここまでお読みくださりありがとうございます!次回は集めた鉄狼達を率いての戦闘回になりますので、お楽しみにしていただけると嬉しいです!


8/23は投稿できず、申し訳ないです。やはり進路活動が忙しく、たまに投稿できない日もあるとは思いますが気長にお待ちいただけると幸いです。


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