第82話 炎のダンジョンといい画
翌日。Aランクの炎のダンジョンに来ていた。
毒のダンジョンは30階が最終階だったようで、昨日はわりとすぐに配信を終えてしまったんだよな。
4.50階まであると予想し、1日で攻略を終えるためハイペースで攻略していたのが完全に仇となった。
しかし、ポイズンペガサスやポイズングリフォン、ポイズンメデューサなどさまざまな高ランクの新しい魔物を手に入れられたので、結果的にはいい探索だったと言えるだろう。
今日は、あのダンジョンで手に入れた毒系の魔物を活用して戦っていきたいと思っている。
1階層に足を踏み入れると、ファイアバードという火の鳥の魔物が現れた。
空を飛んでいるので倒しにくく、触ろうとすると羽から発火するので低ランクにしては厄介な魔物である。
【毒大粘液の両腕】
まず両腕をポイズンビッグスライムに変化させ、それぞれ5本ずつに枝分かれさせる。
これで、伸びるも縮むも自由自在、毒触手の完成である。
空まで毒触手を伸ばし、優雅に空を飛び回るファイアバード達をどんどん捕まえていく。
そして、捕まえた先から毒で犯していく。ファイアバードのような低ランクの魔物では、毒のダメージでも即死するのである。
どんどんファイアバードを毒殺しながら進むと、すぐに2階層への階段を発見した。
2階層へ到着すると、ファイヤバードに追加してファイアウルフも出現するようになった。
1階層の時と同じようにファイアバードを捕まえ、それをファイアウルフにぶつけたり投げつけて攻撃して行く。使えるものはなんでも使わないとね。
遠心力をふんだんに利用したファイアバードハンマーの破壊力は思った以上に素晴らしく、格上のファイアウルフたちをどんどん薙ぎ倒していった。
『えげつねえことしててくさ』
『死体を有効活用されて、ファイアバードも報われるであろう……』
『それは草』
『俺なら末代まで呪うわ』
南無。ファイアバード達ごめん。どうか俺を呪わないでくれ。
3階からはファイアゴーレムが追加された。こいつは、毒の効かない相手である。
こういう相手にこそファイアバードハンマーを使いたいところであるが、呪われたくないので自分を使って攻撃することを選択した。
ビッグポイズンスライムの腕を伸ばし、鞭のように扱ってゴーレム達をしばいていく。
俺は鞭を扱うことはできないが、この鞭は俺の腕であるので自由自在に操作できる。
複雑にしならせ、勢いを大幅にのせてぶつけると、ファイアゴーレムの硬いはずの体が粉々に吹き飛んでいった。
こいつは、全身がマグマでできているマグマゴーレムなどと違い、体の基盤となっているのは石のゴーレムである。なので、物理攻撃が余裕で通るんだよな。
全身が火で構成されていたならば、それはもはやロギa……こほん、ファイアゴーレムを10体ほど倒して行くと、あっという間に4階への道を見つけ出した。恐ろしいほど順調である、
Aランクダンジョンなのにここまで難易度が低いということは、相当先が長いことが予想されるな。
4階はファイアアントという火を纏う蟻が出現した。こいつ自体はそこまで強くないんだが、1000を越える集団で来るから鬱陶しいんだよな。
【大毒妖】
案の定1000体ほどの大群でお出ましした。こんな大群いちいち相手してられないので、大毒妖の毒霧を発動させる。
ファイアアント全員を猛毒で犯す。最初はジタバタと抵抗していたものの、20秒ほどで全員が動かなくなった。
ふむ、弱いな。
そんなこんなで20階まで楽々に到達し、ようやくBランク以上の魔物が出現し始めた。
今いるエリアは火龍のいるエリアであり、こちらも毒龍となってブレスの撃ち合いをしている真っ最中だ。
かなり迫力があって、みている側も楽しめているだろうな。たしか、こういうのをいい画が撮れたって言うらしいな。いい画が撮れたぜ。
『うわぁ……』
『ドン引きしてて草』
『まさか、ドラゴン同士のブレスの撃ち合いが見れる日が来るとは』
『そう言われてみれば確かに。すんげえ珍しい光景目の当たりにしてるやん。俺ら』
『本当この人多彩でみてて飽きないわ』
『それなぁ。配信は毎回リアタイしてる』
『お前何で食ってるんだよ』
『ん?ワイは貴族のクソニート子息やで』
『チッ、人生勝ち組かよ』
『ズルすぎて草』
いい画が撮れた……のかな?
あとがき
ここまでお読みいただきありがとうございます!
本日の投稿、遅れて申し訳ないです。進路活動で忙しいのでご容赦ください。
ただいま新作を執筆しております。投稿頻度は落ちないよう頑張っていくつもりですので、よろしければフォロー、★★★、ハートの方をお願いいたします!
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