第56話 毒龍と4種組み合わせ

「ようやく20階へ到着しました! 時間的に、今日はこの階層でラストだと思います! さあ、ボスはなんのモンスターなのでしょうか、早速入っていきます!」


 あれから5時間が経過し、ようやく20階へと到達した。10階層まではモンスターを避けて進んでいた。

 

 しかし、金になるからとわざわざモンスターを探しに行って狩りを行っていたため、5倍も時間がかかってしまった。


 しかし、その分今回の報酬はかなり期待できそうだ。心配しているのは、視聴者が飽きていないかどうか。というところくらいかな。


 なにせ、拘束して浄化。拘束して浄化。これをひたすら続けているのを見せられているわけだからな。飽きてしまっても仕方ないだろう。


 途中、拘束を行う魔物をアルラウネや人魚、ダークバードに変更したり、浄化を呪いや体力吸収に変えたりして工夫はした。しかし、結局やっていることは一緒だからなぁ。


 20階は、魔力を大盤振る舞いしてささっと終わらせることにしよう。そして、さっさと帰ってすぐにショップで素材を売り払ってしまおう。


 ああ、大量の収入とそれで買うアイテム。今からでも楽しみだ。


 少し浮かれた気分で20階層に足を踏み入れる。すると、突如視界が紫色に染まった。



【大天使】



 咄嗟に全身を大天使に変化させる。大天使はBランクモンスターであり、強力な防御能力を持っている。


 巨大な浄化の盾を作り出し相手の攻撃を防ぐ。流石はBランクモンスターだ。盾の範囲は馬鹿でかいし、展開速度も早い。もちろん、防御力と浄化力共に優れている。


 優れた盾に守られているので、一旦落ち着いて状況を確認することができそうだ。


【眼の悪魔】


 謎の紫色の攻撃により、視界が遮られてしまっている。そこで、眼の悪魔の能力で視界を飛ばすことで、外の状況を確認することにした。

 

 すると、巨大な紫色の龍か目に入った。どうやらこれは、毒龍が吐いたブレスのようだな。ふむ、毒龍か。確か毒龍はCランクモンスターだったかな。今やBランクモンスターが使えるようになった俺の敵ではない。


 あ、そういえば報告が遅れてしまっていたな。つい先程名声値がBランクに上がり、ようやくBランクモンスター達も使えるようになったんだ。


 さっさと終わらせて帰りたいのは、Bランクになったので色々と試したいことがあるというのもある。


【怪蛸の腕】


 流石にそこらの魔物では拘束できそうにもないので、腕をクラーケンに変化させ、その巨大な脚で毒龍を拘束する。


【大天使の瞳】【呪の悪魔の足】【吸血鬼の翼】


 浄化能力、命削りの呪い、吸血能力。これら3つを組み合わせ、じわじわと体力を削っていく。


 Bランクモンスター2体とDランク2体の合計4体に継続的に変化しているので、かなり魔力の消費が激しい。リッチの指輪を買っておいてよかった。


 能力の維持に集中していると、5分ほどで毒龍の巨体が地に伏した。流石は高ランクモンスター4体の組み合わせだ。Cランクのボスもあっという間か。


『強すぎ』

『まじかよ』

『やっば』

『てか、無傷の毒龍はえぐい』

『え、たしかに。めちゃくちゃ高そう』

『すみません! その毒龍の血液! 少しでいいので売ってもらえませんか!?』

『わたしにもお願いします!娘が怪林病なんです!』

『俺にも売ってくれ! 頼む!』

『あ、そういえば、毒龍の血液って怪林病の特効薬の素材だったね』

『なるほど、それでさっきから売って欲しい人が多いのか』

『これは、売値やばそうだなあ』

『がっぽがぽすぎるやろwwwwwwwww』


あとがき


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