第55話 拘束と浄化
11階へ降りた。少し歩くと、早速魔物に遭遇する。遭遇したのはポイズンスライムを大きくしたような見た目の魔物である。
こいつはポイズンスライムの上位種、ビッグポイズンスライムだ。核がでかくて、まあまあいい値段で売れるんだよな。傷付けないように倒そう。
【植物人の右腕】【聖熊の左腕】
左右の腕をそれぞれ聖熊とプラントゴーレムに変化させる。プラントゴーレムの植物の蔓で相手を拘束し、聖熊の浄化能力で傷付けずに倒す作戦だ。
浄化能力で魔物が倒せるのか。そう疑問に思った方もいるかもしれない。
霊、呪、闇、毒などの系統のモンスターは、光や聖属性が弱点なので、浄化能力がよく効くんだよな。
しばらく浄化の光を当て続けると、蔓から抜け出そうともがいていた動きが弱まり、止まった。
よし、無傷の素材が手に入ったぞ。この調子でどんどん倒していこう。
その後もでかいポイズンスパイダーやでかいポイズンビーなど、10階までに出現したモンスターの上位種が次々と現れた。
それらも、蔓による拘束と聖熊の浄化のコンボによって、どんどん無傷で倒していく。
『やば、まだ一回も毒食らってなくね?』
『それな?素材も無傷だし、めっちゃ稼げそう』
『え、やば。めっちゃ羨ましい』
『俺も毒のダンジョン行ってみようかな』
『やめとけ』
『それなやめとけwwwwwww』
『実際、毒食らわずに無傷で倒すとか至難の技すぎて俺らには無理無理』
『ヴァリアン、余裕なの見越して解毒ポーション用意してなさそうで草wwwww』
コメントにある通り稼ぎが楽しみだ。金になるので、わざわざ目に見えるモンスターを全て倒しながら進んでいく。
すると、11階から追加されたと思われる新種のモンスターを発見した。
紫色の斑点のついたオーク。ポイズンオークだ。いつもオークが持っている棍棒も、心なしか紫色をしているような気がする。
実際に戦うのは初めてなので、アイツについて復習しておこう。たしか、主な攻撃手段は毒の息と毒の棍棒による打撃。
それから、毒だけでなくオーク本来の攻撃力や防御力も兼ね備えていて、なかなか手強い相手だったと記憶している。Dランクモンスターだったかな。
蔓5本では拘束できそうにないな。試しに一度拘束してみるも、ビリビリと引き裂いて拘束から抜け出してしまった。
すぐさま蔓を10本に増やして拘束すると、今度は抜け出せないようだ。よし、浄化開始。
スライム達より長い時間がかかったが、無事に浄化完了。無傷で手に入ったし、これも高く売れそうだ。
あとかき
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