今年印象に残った本15冊

 年末なので、《今年印象に残った本》をあげてみようか。とりあえず15冊ほど。

 ※並びはランキングじゃないです。


 ●劇場/サマセット・モーム

 ●秋の花/北村薫

 ●ばにらさま/山本文緒

 ●ゴドーを待ちながら/サミュエル・ベケット

 ●女生徒/太宰治


 ●ミモザの告白/八目迷

 ●ストレンジボイス/江波光則

 ●ペイルライダー/江波光則

 ●パニッシュメント/江波光則

 ●鳥葬 -まだ人間じゃない-/江波光則

 

 ●浮世に言い忘れたこと/三遊亭圓生

 ●幻視者のリアル (幻想ミステリの世界観)/千街晶之

 ●水面の星座 水底の宝石/千街晶之

 ●映画を早送りで観る人たち ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形/稲田豊史

 ●人生の短さについて/セネカ


 今年はとにかく江波光則。――上半期の江波光則ブームが本当に凄かった。


【俺の人生は俺のもの。お前の人生はお前のもの。だからお互い好きにやっていこうや】

 昨今の青春小説でこの手の主人公は珍しい気がする。

 他人に依存せず、世間にも期待せず――そもそもそんな発想からしてない。

 

【自分の人生ぐらい自分で面倒見ようぜ】

 僕はこういうスタンスが好きなので、そりゃハマるわな。


 ちなみに、個人的ベストは『ストレンジボイス』

 クラスのいじめっ子。いじめられっ子。観察者。

 歪な三角関係の中心にいる観察者――水葉みずはが、実は一番病的かつ闇が深いのが実にいい。


 普通になりたい、なんてあたしの悲鳴は、歪んだ金切り声にしかなりはしない。誰の耳にだって届きはしない。他人の声に耳を塞いでいるあたしが、自分の声だけは他人に届かせようなんて図々しいだけだ。


 ヒリつくほどの名文だ。

 ……とまぁ、今年は江波光則作品にずいぶん魅せられてきた。


 さて、来年はどんな出会いが待っているだろうか。

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