甘いなぐさめなど今は

 最近ひどい夢しか見ない。

 精神疲労がMAXのときじゃないと見ないような夢を五日連続で見ているものだから、まぁしんどいしんどい。

 

 現状、小説を書くことだけが日々の治療になっている。治療といっても「楽しい」とか「気が晴れる」とかではなく、書いている間だけはなにもかも忘れられる――小説を書く人なら多かれ少なかれやっている自己治療(?)だ。


 僕はいま劇団ものの小説を書いている。

 もう半年ぐらいこの話を書いているが、まだまだ終わりそうにない。あと二ヶ月で二稿目を終わらせて、そこからまた直し。おそらく三稿目で筋が固まると思う。四稿目で徹底的に文章を直して……となると、完成は来年の春になりそうだ。


 一年か。


 三、四ヶ月に一作書けないようじゃ厳しいと自分でも思うが、「こいつは腰を据えて書くんだ」と決めた物語だ。それぞれの志のもと戦う彼らに、とことん付き合っていくしかない。


 夜空に幾千の星があっても、人の目に映る星はほんの一握りであって、いまの自分は誰の目にも映らない、その他大勢の星でしかない。


 たとえそんな現実を突きつけられても腐ることなく戦い続ける彼らの姿に、僕はときどき、自分の物語に勇気づけられることがある。


「疲れたか? じゃあ、いつまでもくたばってろ」

 こんな風に思いきり突き放されると、かえって(お前ら見とけよ!)って熱い気持ちになる。


「頑張り続けていたらいつか絶対報われるよ」

 こんななぐさめなんて虚しくなるだけだ。弱音も愚痴も、なに一つとして現状を変えられない。


 ――とにかくやっていくしかないのだ。


 今日も、明日も、明後日も……。

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