第31話遊戯大会の準備をします!
「それではこのクラスは…」
今日は遊戯大会前日。
あれからディア王子はたまに開かれる家族の朝食会に来るようになった。
皇后様もだいぶ可愛がっているみたいでまるで本当の家族のように思える。
「おーい。レン。俺たちはあっちでテントを立てるぞ」
「分かったよ」
この世界にもテントはある。とはいっても冒険者が仮拠点を作るような粗末なもので、キャンプにある立派 なものではない。
「腰が痛い」
「まだおじいちゃんになるには早すぎるよ」
「レンは痛くないのかよ?」
「実はちょっと痛い」
「それだったらお前もおじいちゃんじゃないかよ!」
と他愛も話をしていると
「やぁ、レン」
「ディア王子」
遊戯大会は貴族コースの人も一緒に準備することになっている。
身分関係なく行っているのは前の世界と共通している部分もある。
「ちょうど見かけたから話しかけたんだ。そういえばさっきカーラー先生が呼んでいたよ。」
何か悪いことしたの?と聞かれる。
まぁ師匠は無愛想なので勘違いされやすい。
「大丈夫だよ。ただ手伝って欲しいんだと思う」
「それなら良かったよ。それじゃあ僕はこれで」
「あ!ディア王子!的当て楽しみにしていますよ!」
「ありがとう」
的当てっていうのはディア王子が出る種目で
より早く全ての的に当てた方が勝ちという単純な種目だが、配置する場所が当てにくい所にあるので毎年各クラス1名の実力者が出るらしい。
ちなみに僕は野球に近いのに出る。ついでにモルトも。だから球技大会に近いと最近思ってきた。
「カーラー先生」
「おう、レンか。ちょっと倉庫に飛び越え用のバーを取りに行きたいから手伝ってくれないか?」
「分かりました!し、じゃなくてカーラー先生!」
「気をつけろよ」
ということで倉庫に行く。
少し人がいるくらいで意外と静かだ。
「支柱持っていくからバーをよろしく」
「はい!」
倉庫の中にいると少し邪魔になるからと外で待つらしい。師匠はこういう気配りもできるから尊敬する。
「あった!これを…」
踏み台を使わないと届かない所にあった。
もう少し身長があればいいのに…
「うわぁ!」
このままだと頭を…と思ったが
いつもの温もりを感じる。
「大丈夫?」
カナリア様だ。カナリア様っていつもいい匂いがする…じゃなくて!
今抱き抱えられている。
「ごめんなさい僕すぐ降ります!」
「軽いから気にしないで。なんならこのまま運んであげようか?」
「大丈夫ですよ」
ここで断らないと本気で運ばれるかもしれないから何とかしたい。
「そう。じゃあ帰ったらイチャイチャしようね?」
「なんでそうなるんですか!?」
「嫌なの?」
「嫌じゃないです!」
「素直でよろしい♪」
他の人から見たら妬まれるかもしれないし、そろそろ
「僕カーラー先生待たせているので行きますね」
「うん。私はこの倉庫の担当だからまた何か助けて欲しいことがあったら言ってね」
「ありがとう、カナリア///」
名前呼ぶの久しぶり過ぎて緊張したのは内緒。
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