第29話親友が2人も出来ました
「レン!」
「モルト…」
師匠を読んできたのはモルトだった。
「アイ様もカナリア様まで」
「ディア王子!」
アイ様がディア王子に駆け寄る。
「大丈夫!?」
「僕は大丈夫だよ。レンのおかげで助かったよ。ありがとう」
「友達を助けるのは当たり前じゃないですか」
「これからはもっとレンに私にも頼ってね」
「ありがとう」
すると僕の方を見て
「レン、お願いがあるんだ」
「なんですか?」
「僕と親友になってくれない?」
「なります!」
反射で答えた。前世でも親友なんて出来たことがないのに初めてだ!
「俺も!俺も親友になりたい!」
「いいよ!」
めちゃくちゃ嬉しかった。
一気に親友が2人も出来ました。
「そう、ディア王子が…」
「なので親友2人も出来ました!」
「それは良かったね」
「はい!あ、僕ちょっとお風呂入ってきますね」
「大浴場の方?」
「今日は大きいお風呂に入りたい気分なので」
嘘だ。本当の理由はカナリア様のことを直視出来ないからだ。
さっき抱きついた時もすごい心臓がバクバクした。
「ふぅ〜温まる〜」
お風呂っていいよね
「今はもうすっかり暗くなっちゃったな〜」
夜遅いので入っているのは僕1人だけ。
実は壁の反対側にはカナリア様がいる。
「私も大浴場久しぶりに行こうかな」
と言い出したからだ。
大浴場で入る姿のカナリア様もきっと綺麗なんだろうな〜。
いけない。このままいくと変なことを考えてしまう。
「お!レンではないか」
「アメスト王、こんばんは。入らさせてもらっています」
カナリア様の父親と一緒にお風呂に入る!?
内心めちゃくちゃ緊張しているんだけど!?
いつも王城で朝食の時以外はたまに会ってペコりするくらいなのに。
「構わない構わない。もう君もすっかり私の家族だからね」
「実はアメスト王に会ったらお話したいことがありまして」
「ほう?それは?」
宰相の子供がディア王子をいじめていることを話した。
「そうか。ディアが…。あいつは私の跡を継ぐ者なのに、宰相ときたら理由をつけて自分の息子を王にするべきと言い出すのだ」
アイ様と同じ考えだ。
てっきり宰相を庇うかと思った。
「ディアには今まで辛い思いをさせてしまった。母親が死んで、私も構ってあげれず、妻と子供を作ってしまったからな」
「そうなんですか…」
「だからあいつにはこれから幸せになって欲しい。王になりたくないと言えば、宰相の息子ではなく、あの脳筋騎士団長にやらせる」
アメスト王は王であっても1人の子供の父親でもある。将来の子供のことまで考えている。
それを実感させられた。
「僕はそろそろ上がらせて貰います。お話を聞いてくれてありがとうございます」
「いやいやこちらこそありがとう。宰相の息子については厳重に処分する。後、頼みがあるのだが」
「はい。何でしょうか?」
「ディアを見守っててくれないか?」
「はい!ディア王子の親友として見守らせてもらいます!」
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