第23話総執事さんに聞こう!
門の前まで来た。
いつもならいるはずのカナリア様がいない。
普通なら教室まで迎えに行くのが当たり前だけど
「別にそんなことしなくていいよ」
と言われているので門の前でいつも集合している。
やっぱり僕が学園で隣にいると…
昔からこういう考え方をしてしまう。
すると僕の目の前で馬車が止まる。いつも乗ってくる馬車だ。
「こんにちは」
「こんにちは?」
中には片眼鏡をつけたおじいさんがいた。
「あなたがレンくんですね?」
「はい。そうですが?」
「カナリア様から今日は遅くなると聞いていますので代わりに私がお迎えに上がりました」
馬車に入る。
「まずは私、ウィスターと申します。アメスト家の総執事を任されております」
「レン・アメストっていいます」
「レンくんはその歳で専属執事を目指しておられるのですね。同じ業界の立場から言えば、身のこなし、動作、マナーはだいぶお上手だと思います」
「ありがとうございます。あの、ウィスターさん」
「はい。どうしました?」
「カナリア様の専属執事は僕に務まるのでしょうか?」
今日もカナリア様に迷惑をかけてしまったことなどを含めてウィスターさんに聞いてもらった。その間も頷いてくれたりしてくれた。
「私も最初はそうでした。総執事になってばかりの頃も高い花瓶を割ってしまったり来客様にお茶をこぼしたり。その時アメスト様に海に連れてかれて夕日を眺めました。夕日に比べたらちっぽけなものだと言ってくれました。だからきっとカナリア様も専属執事であり夫であるレンくんを大切にしているのでそんなに気負いする必要はありませんよ。」
「そうなのでしょうか」
「それにカナリア様は小さい頃から大人びた性格でして人に頼らず何でも自分でこなすような人でした。」
「だから人一倍感情を読み取るのが得意なのです。それで昔は苦労した時期もあったみたいで。アメスト様や奥様もレンくんが来てくれたことをとても喜んでいます。
お見合いを決めた時初めて親を頼ってきたのですから。」
「そうだったんですか…」
「もしそれでも不安なのでしたらカナリア様に毎日「好き」と言ってみたらどうでしょうか?」
「え!?」
「私も毎日妻に言ってますよ?」
愛妻家な人だと思った。
「それではまた相談事がありましたらいつでもアメスト様の書斎にいますので。もちろんその時はアメスト様も歓迎してくれると思います」
「ありがとうございました!」
何だか先輩が出来たように感じた。
「ただいま」
「お帰りなさい」
「ごめんね。ちょっと先生のお手伝いをしてて、うわ!どうしたの!?」
抱きついてしまう。
カナリア様の顔なんて恥ずかしくて見れるはずがない。
「カナリア様。僕今日また迷惑をかけました」
「それはあの時私もいけなかったよ。レンを突き放すようなことをしてしまったしね。学園では氷の王女なんて呼ばれてるからレンにも冷たくなっちゃった」
「そんなことないです!その…カナリア様」
「うん?」
「好きです」
これを毎日言えるウィスターさんがすごい。
「私も大好き。」
顔を上げてと言われ、上げるとキスされた。
舌と舌が絡み合う。
「はぁ、それじゃあ夜ご飯前だけどもういいよね?」
「ダメですよ!遅れますって」
「大丈夫。それにもっと愛し合いたいから」
結局久々の家族で集まっての夜ご飯に少し遅れることとなった。
《ワクチンで倒れてたので投稿が出来ませんでした。テスト勉強も頑張ります!》
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