第22話学園ではクールだけど…?

「はぁ、おはよう」

「お、おはようございます。えっと…さっきのって」

「レンの寝顔がかわいいのが悪いんだよ。これから毎日これで起こすよ」

「え!?」

だってあんな激しいのをされたら誰でも起きるでしょ!

「まぁ学園では「執事は主より先に起きるもの」とか習ったかもしれないけど私はこれしたいから先に起きなくていいよ」

「分かりました?」

頑張って早く起きたいと思うけどベッドがふかふかなのと、その…されたい気持ちもあって微妙な返事になってしまった。


「はい」

馬車に乗るとお膝を叩いて合図を出す。

こうなると僕がやることは

「やっぱりかわいいな〜」

乗ること。

「今日はお仕事ないから夜はたっぷり愛し合おうね♡」

「ががが、頑張ります!」

「もうここで襲っちゃおうかな?」

「え!?」

「嘘」

からかわれながら登校する。


「じゃあ」

「行ってらっしゃいませ」

学園に着くとカナリア様はクールになるスイッチみたいなのが入る。

色んな人に見られてるからかな?


「よーし僕も頑張ろう!」

カナリア様と釣り合うようにたくさん勉強!


お昼になるとクラスメイトが僕の所に来た。

「お前昨日すごかったらしいな!」

「えっーと君は?」

「俺はモルト・サロス。サロス侯爵家の次男だ!」

侯爵家の次男が執事志望は珍しいと思う。

「僕はレン・アメスト」

「知ってるよ。ナーヤから聞いた。」

ナーヤさんと知り合いらしい。

「相手を拳でビシバシ倒すなんてすごいな!」

「ありがとう。けど剣術に比べたらすごいものじゃないよ」

「剣術なんて今は戦争なんて少ないないから真剣はあまり使われないし木刀だったら折れるしで扱いずらいだろ」

確かに。

「そんなことより俺、もっとレンと話がしたいんだ!」

「いいよ!」

初めての同性の友達ができた。


それからモルトと購買に行くことにした。

「あれ?カナリア様!」

「レン」

「どうしたんですか?」

「最近パンにハマってるから」

「そうだったんですか」


「おーいレン」

モルトの呼ぶ声がした。

「友達が呼んでるんじゃない?早く行ったら?」

「でも」

もうちょっと話したい。

「いいから」

この声のトーンはちょっと怒ってるかもしれない。

「はい」

学園内では関わって欲しくないのかもしれない。

第二王女という立場もあるからいろいろな人に見られるから。

「あ、いや」

「カナリア様。戻りましょ?」

「失礼します」

「ま、待っ」

人混みに紛れてカナリア様から見えないようにモルトの所まで行った。


「遅いぞ〜。いくら並んでても友達を待たせちゃいけないぞ?」

「ごめん。ちょっと買うのに時間がかかって」

「じゃあ次俺が遅くなっても許せよ?」

「許すに決まってるよ」

友達らしい会話をしたのも初めてかもしれない。


「はーい。明日は格闘があるから格闘技用の服忘れるなよ」

「明日、お前の楽しみにしてるよ!」

「そんなに見せるほどでもないよ」

「さようなら」

「さようならナーヤさん」

挨拶だけは基本的に交わしてくれる。

「じゃあ俺も行くわ。じゃあな!」

颯爽と帰っていった。







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る