第20話カナリア様の裏のお仕事
「レンも来る?」
着替え終わったカナリア様が聞いてくる。
「え…」
「眠かったら先に寝ててもいいんだよ?」
軍服姿の姿のカナリア様がすごい綺麗。
かっこよさも備わってやばい。
「いや!行きたいです!」
手を繋いで廊下を歩く。
あまり見慣れてない廊下だ。
しばらく歩く。
「大丈夫?怖くない?」
「夜だとちょっぴり怖いかな」
この歳になって恥ずかしいけど怖いものは怖い。
「ここだよ」
中に入ると1人の男の人がいた。
「遅いですよ隊長。ってこんな夜中に男の子を連れてきてはダメじゃないですか。隊長が年下好きなのは知ってますけど、今まではそういったことなかったので、そういう人ではないかなって思ってましたが…第一夫さんにバレる可能性もありますよ?」
「違うよ。私の夫だよ。」
「え!?」
僕を見る。
「新聞で見たより優しそうな雰囲気だったので気づきませんでした」
「あれはちょっとレンには見せたくないかな。後あの新聞社を潰すから」
カナリア様が席に座る。
僕は何故か隣にあるソファに座らされる。
「あーそのソファはそのために…。それで潰す理由は?」
「1つは賄賂かな。王城関係者に賄賂を渡してるっぽくて、2つ目はレンを若干貶してる感じがしたから」
「怖いですね。そんなことしてるとレンくんに逃げられますよ?」
僕を見ながら言う。
「愛してる人を貶したやつにはそれ相応の報いをね。」
「あ、愛してる!?」
この部屋に来て今まで声を出していなかったけど、これはびっくりする。
「君も同じでしょ?」
「まぁそうなんですけどね」
「え?」
「どうしたの?レンくん?」
男の人が聞いてくる。
「いや、てっきりカナリア様の…」
第二の夫だと思っていた。
こんなに会話が進んでるのは初めて見たから。
「あはは!レンくんは面白いこと言うね。隊長ちゃんと愛を伝えてます?」
「伝えてるつもりなんだけだどレンは結構鈍感だからね」
「無自覚鈍感ってやつですか。まぁ心が綺麗だとそうなりますよね」
心が綺麗っていうのはいまいち分からなかった。
「そういえば自己紹介してなかったね。僕の名前はフォード・アメリア。アメリア公爵家の次男でここの副隊長をしてるよ。よろしくね」
「僕レン・アメストっていいます!」
「可愛いね〜ジュースあげよっか?」
横の棚からジュースを取り出してくれた。
「ありがとう!フォード兄さん」
「うっ。隊長この子僕達の子にしていいですか」
「ダメ。それに君にも可愛い子供いるだろ?」
「いますけど僕より妻に懐いているのでちょっと寂しいんですよ」
「けどダメ。レンちょっとこっち来て」
「はい?」
来るとお膝に乗せられる。
「こういうことだから」
「あのカナリア様。お仕事しにくくないですか?」
「大丈夫。それだったらレンが読んで?」
僕もスマホでたまにある読み上げ音声みたいな感じでしばらくお手伝いをした。
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