第17話カナリア様は不安

「それじゃあ審判は第二王女様にはかっこいいところを見てもらいたいので…」

「私はやめておきます。代わりにゲストに審判してもらいましょう」

ゲストと聞いてもアイに思い当たる人は…いた。

「え?僕ですか?」

「そうよ!きっとディア王子ならできますよ!」

「そ、そうかな。僕審判なんてしたことがないし…」

「なんなら私が副審判をしますから!」

「わ、分かりました。」

第一王子だった。


同じ城にいるけど別館に住んでいてあまり話したことはないけど彼なら適正にしてくれると思う。


会場に着く。

「ねぇ?本当にするの?無茶すぎるよ。3対1でしかも君は…」

言ったら傷つくかもしれないけど言わないともっと傷つく可能性がある。

「実は僕、前世で唯一の味方がいたんです」

初めて聞いた。

前世は辛いものばかりだと思っていたから。

「その人に守るためだけに教えてもらったことがあるんです。」

「そうなんだ…」

今のレンは私が仕事をしていた時の目と似ている。

私はちょっと期待してみることにした。

「はい。これ、特注の木刀。私の予備だけど結構扱いやすいわ」

「剣は使いません。」

「え!?」

「そのままで戦いますよ。」

「格闘で剣相手に勝てるはずが…」

私も訓練の時にあるけど、あれはお互いが武器なしで戦うからできる。

相手が武器を持っていたらいくら上手でも無理。

「大丈夫ですよ。真剣ではないので斬られたりはしませんよ」

「でも!」

「カナリア様ちょっとしゃがんでもらってもいいですか?」

「こ、こう?」

すると、頭を撫でられる。

「いつもの仕返しです/////」

かわいいなぁー。私も撫で返す。


「それではぼ、僕ディアが主審、フォーデリア公爵令嬢が副審をします。

では始め!」

ディア王子は緊張からか時々言葉がつっかえる時がある。

それは気にしないで今は

「頑張れー!」

応援に集中する。

~~~~~~~~~~~

「ちっ。あの時滑って死んでたら良かったのにな」

こういう人は何人も見たことがある。

「けどあの時滑ってから人生が変わった気がする。人生って簡単な出来事でガラッと変わるものなんだよ」

前世でも僕と仲良かった人でも噂を聞くとガラッと態度を変えた人もいた。

あの時はちょっと心が痛かった。

「いっちょまえに言いやがって!」

隣にいたやつが襲いかかってくる。


順番に来るのかな?

「剣を持ってなかったら虫けらと同じだー!」


避けて試しに1発

「ぐはぁ!」

相手は飛んだけど思ったより飛んでない。

やっぱり全盛期のように行かない。

「なに!?このやろー!」

僕は相手が持っていた木刀を蹴り飛ばして、

手首を持って

「えい」

相手を引きつける。

合気道ってすごいよね。関節技だから力入れなくて簡単にできる。


「ゆ、許してくれー!」

木刀を放り投げて謝られる。

最初はあんなに威勢が良かったのに。

「えーっとこの戦い、レン・アメストの勝利」


「やりましたよ!カナリア様!」

「え、ええ。私の出る幕なんて最初からなかったわね」

「そんなことないですよ!応援してくれたから勝てたんですよ!木刀でも頭ぶつけられたら結構痛かったと思いますし」

「痛いっていうレベルじゃないわよ」

アイさんも言う。



《ちなみに今回出てきたディア王子はサイドストーリーを作ろうと思います。二編中は出ないです》



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