第16話人間死ぬ気になれば何でもできる?

「私はアイ・フォーデリア。一応公爵家の長女よ」

「僕、レン・アメストっていいます!」

「よろしくね。まさかカナリアが急に結婚するとはねー。普段男子には冷たいのにこんなかわいい子を捕まえるなんてね」

「うるさい!あなたも経験はあるでしょ!」

「そっかーカナリアは一途だもんねー」

「うるさい!」

怒ってるカナリア様がかわいい。

~~~~~~~~~~~~~~~~

「初めまして第二王女様。私、ナーヤ・テールといいます。以後お見知りおきを」

「ちょっとアイ来て」

私はアイを引っ張る。

「痛い!痛い!軍人で鍛えなかれてない令嬢をいじめないでよ」

「あなたも剣術の達人でしょ。それよりあの子はレンを狙ってるの?」

「なーにカナリア。もしかして不安なの?」

「だって!」

「大丈夫よ。あの子には伯爵家の次男と仲がいいから。レンくんなんて眼中にないよ」

「そうかな?」

「自信がないならレンくんの手でも握ってれば?」

「う、うん」

~~~~~~~~

「カナリア様?」

あまりの長話なので声をかけた。

「ひゃい!」

「どうかしたんですか?」

「な、何もないよ!それより…手を繋ごう」

手を繋がれる。


「君が迷子にならないように」


「カナリア、正直に言えばいいのに強引に手を繋いじゃったら嫌がられるよー」

「え?そうなの?」

僕の顔を覗きながら聞いてくる。

「いやじゃないです/////」

思わず目を反らす。


「いつも2人はあんな感じなのでしょうか?」

「多分そうなんじゃない?両方無自覚鈍感攻撃してるからすごいけど」

「そうですね」


学園の校舎を出たあたりで

「おいお前!」

「いた!」

急に肩をぶつけられる。

「よー!久しぶりだなぁ」

貴族コースの時にクラスが一緒だった3人組だ。

言葉が出ない。怖くて。

「大丈夫レン?」

「第二王女様、こんなやつより俺たちと遊びませんか?それにフォーデリア公爵令嬢様もよ」

「お嬢様に指1本触れさせません」

「ちっ、まぁいいや本命は第二王女様だし。なぁ第二王女様。こんなゴミは置いて遊びません?なんなら俺たちの誰かを夫にしてくれてもいいですよ?こいつじゃあ気持ちよくなれないでしょ?」

「は?何言ってんの?あなた達よりレンの方が何百倍も魅力的なんだけど」

「へぇーじゃあこうしよう。俺らと模擬試合してこいつに勝てたら俺らと遊んでください」

「何いっ」

「やらさせてください」

「レン正気!?あなた剣術苦手だって言ってたのにどうやって…」

「多分大丈夫ですよ」

「大丈夫って…」

「死にそうになったら守ってくれるんですよね?」

執事なのに立場が逆転したみたいなことを言う。

「それはそうだけど」

人間死ぬ気になれば何でもできる。




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