第10話カナリア様の母性が爆発する

今抱きしめてレンくんと寝ています。

「はぁ〜♡かわいい」

さっきまであんなに泣いていたレンくんが今ではすやすや眠っている。

まさかレンくんが前世持ちだったとは知らなかった。

前世がある人はその知識を生かして、画期的な物を作る人もいる。

私の祖父は騎士団から軍隊という仕組みに変えたのも前世持ちだったから。


けどレンくんの前世も壮絶なものだった。

あのクズ共といた時よりもひどい。

あいつらはもう秘密裏に裁判が行われている。貴族は全員知っている。

レンくんにはあえて言わない。

これからはあいつらのことなんて考えずに私とイチャイチャするため。


レンくんの息がちょうど私の胸あたりに当たる。

「お昼はあんなことしようとしたけど」

レンくんと離れたくない一心で強行手段に出てしまった。

あのまま本番を迎えても良かったような気もする。

今もなんか変な気分になっている。

「触られたい…」

そんな考えがよぎってしまった。

王女たるもの何を考えているのか。もしレンくんにもこの考えがバレると絶対幻滅される。

そんなことやだ。


見るとレンくんが涙を流している。

「泣き虫だな〜」

頭を撫でると不思議と泣き止んだ。

怖い夢を見てるのかな?

できれば代わってあげたい。

こうやって抱きしめてるとどんどん守ってあげたい気持ちが強くなる。

これって母性って言うのかな?

今度母様にでも聞いてみよう。


レンくんは明後日から学校だから授業以外はずっといてあげよう。

単位はもう全部とったから学園は友達と会うくらいしか理由がなかったけどまた1つ理由が増えた。


執事コースの人達はクラスの雰囲気も良かったから上手く馴染んでくれると思う。

もし行きたくないとレンくんから言ってきてくれたその時は家で2人でイチャラブ生活を送ろうと思う。

なんなら最初から学園など行かずに家にいてくれたら嬉しいけどレンくんは役に立ちたいと思ってるから尊重したい。

レンくんが生きてるだけで私の役に立ってるのに。もっと頑張ってる姿を見るとキュンとくる。


私は専属執事なんていらなかった。

自分1人でできてしまうから。それでデブのやつに可愛げ無いと言われた時はムカついた。

けどレンくんと仕事中でも一緒にいられるのは嬉しすぎる。

今は邪魔になるからと自分の部屋にいるけど、学園で学びだしたら執事見習いとでも言って引っ張り出せる。


「カナリア様…」

今私の名前を呼んだ?レンくんが名前を呼んで甘えてきてくれる姿を想像するとダメだ。

もう今にでも襲いたくなる。

そういうのは結婚してからじゃないとできな

い。婚約発表したついでに結婚もしてしまうか?

なんなら最初から結婚発表にする?

それはまたレンくんと話して決めよう。


それにしてもめちゃくちゃかわいい。

やっぱりこれは母性かも。

明日からは今までのことなんて気にしないくらいたくさん甘やかそう。


そう思って眠りについた。




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