第9話氷の王女と打ち明け合う

帰ると今度はカナリア様がいつも仕事している書斎に連れてかれた。

「はい。どうぞ。私はいつもドレスだったから違った服装で落ち着かないかもしれないけど気にしなくていいよ」

軍服のカナリア様は初めて見た。


「まずはごめんなさい。私1日で連れ戻すって言ったのにあんなところに3日もレンくんを置いてしまって」

「全然大丈夫ですよ。それに僕の方がたくさんカナリア様に迷惑をかけてしまって」

「そんなことない」

無言になる。


しばらくして僕が口を開けた。

「カナリア様」

「どうしたの?」

言わなきゃ。けど言ったらもう一緒にはいられない。

「僕…平民に下がります」

「なんで!」

机をバーンと叩いて立ち上がる。

前世でも取り立て屋がやってたのを見たことがある。

「もしかして私のこと嫌いになった?軍隊に入ってて男勝りだから?それだったら軍隊なんてやめてくるから」

「嫌いなんかじゃないです!むしろ助けに来てくれた時のカナリア様はかっこよくて好きになりました」

「だったら」

「それでも大して優秀でもない僕なんかと一緒にいたらカナリア様の立場もきっと」

「そんなの関係ない。私はレンくんが好きだから。ずっと一緒にいたいから。立場なんてどうでもいい。どうせなら家にずっといたっていい。お金ならこれでも私部隊の隊長だからレンくんくらい養える」

泣きながら

「君は私と一緒にいてくれるんでしょ?」

「いたいですけど」

「だったら」

ソファに押し倒される。

「もう既成事実を作ろう?私こう見えてもスタイルには自信があるから」

とボタンを開け始めた。

「ま、待ってください!ダメですって!」

「でも、こうしないと君がどっか行っちゃうから」

「勝手には行きませんよ。けど本当にいいんですか?僕は無能で役立たずですよ」

「無能でも役立たずだったとしてもレンくんだから大好きなんだよ?」

そんなこと言われたらもうできないじゃん…

「レンくんまで泣き出して」

「ありがとうございますカナリア様」

2度救われた。


今日は王様に挨拶だけしてすぐ部屋に戻りカナリア様が

「私の話聞いてくれる?」

と言い出した。

それからカナリア様が裏の部隊で隊長をしていることやそれがバレたくなくて3日も遅れてしまったことを話してくれた。

「さっきはかっこいいとか言ってくれたけど本当のことが聞きたい」

「本当にかっこ良かったです。ドレスももちろんいいんですけど、僕は軍服を着ているカナリア様に憧れます」

一瞬面食らったかのようにしていたけど

「そっか〜私もドレスは着づらいから、レンくんが気にしないならこの服にしようかな〜」

それから、いかに僕のことを好きなのかを説明される。

全財産あげられるとか、レンくんのためなら何でもできるとか。

「エ。チなことでも私初めてだけど頑張るよ?」

とまで言われる。

そんなに好きでいてくれるのに自分はまだ秘密を持っていることが申し訳ない。

「僕、まだカナリア様に言ってないことがあるんです」

ズボンをギュッと握りしめて言う。

「どうしたの?別に言わなくてもいいんだよ?」

頭を撫でられる。

また泣いてる。泣き虫だな僕は。

最初らへんは何言ったか忘れた。

泣いてて、前世は地球にいたということは伝えられたと思う。

途中からは落ち着きを取り戻して、

前世でも親に搾取されていじめられていたことを言った。

「大丈夫。私がいるから怖くないよ」

カナリア様が抱きしめて言ってくれた。

そのまま夜だということもあり、今日はもう寝た。

その間もずっと抱きしめてくれた。









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