第6話あの人らの元へ

あれ?なんか柔らかいものが当たってる。

「ひゃあ/////」

え?まさか…

「あわわ、ごめんなさい!」

土下座中です。

いくら婚約者でもこれはいけない。

「私が抱きしめてた方が悪いのですからそんなに謝らなくていいですよ」

「でも!」

「じゃあ私の願いを聞いてくれたら許します」

「何でもします!」

「私とこれから寝る時は私の抱き枕になってください」

「え?」

これから毎日?

「む、無理ですよ!いくらなんでも。まだ僕達は婚約者なのですよ?」

「何でもは?」

「う。分かりました」

「よろしい」

恥ずかしくて死にそう。

~~~~~~~~~~~~

今日もお仕事。学園に行ってないだけまだいいか。レンくんはあのクラスから引き離したし。

「そういえばいつ発表しよう」

婚約発表はいつでもできるとお父様に言われている。

そうなると早めにするべきか。

レンくんがかわいいせいで狙ってくる令嬢が出てくるかもしれない。

そうなる前に私の物であると見せつける必要がある。

「レンくん♪レンくん♪」

隣の部屋にいるけど聞こえてないよね。

今日の朝もかわいかった。

抱きしめて寝ていたら急に慌てだして。

もうちょっとあのままが良かったな〜。

レンくんは私よりちょっと背が低いからちょうどいい。

ちなみにこの国では女性の割合が6割とちょっと多い。なので女性が年上の人も多い。

年上の人と結婚する男性はごく普通にいる。だから問題は無い。


年下だからっていう理由でレンくんを選んだわけではない。全ての動作がかっこいいとかわいいが合わさってるから。

後豚共と違って財産目当てや地位目当てで来ていない。

だから養いたいと思ってしまう。


「ちょっとレンくんの所に行こう」

本読んでる姿を覗き見したい。

「お嬢様!」

「どうしました」

えらくメイドが慌てている。

「実は今日、レン様を返すようアレルラ公爵が…」

「嘘!?」

~~~~~~~~~

カナリア様の声が聞こえた。

結構大きい声だから何かあったのでは?

そう思い部屋に行くと

「今すぐ拒否して!」

「でも相手は公爵ですから、拒否すると関係が悪化します」

「う」

「あのーどうかされたのですか?」

「レンくん」

「レン様実は…」

今日あいつが帰ってこいと言ってきたらしい。

「分かりました。それじゃあ僕は帰った方が良さそうですね」

「ダメ!あんなところにまたレンくんを戻すなんてできないよ」

「カナリア様大丈夫ですよ。しばらく会えないかもしれませんが、僕頑張りますから」

今までが幸せすぎた罰だと思えば楽。

「1日!1日でレンくんを戻すから待っててね!」

「頑張りすぎないで下さいよ」

頭を撫でる。

「あ、ごめんなさい!」

「いや、嬉しかった」

「ふふ、仲がよろしくて」


「お主には苦労ばかりかけるの」

「元に戻るだけですから」

「1日で帰って来れるようにするから!」

「分かりました。待ってますよ?」

あの人はいうて権力があるからだいぶきついと思う。

1週間はかかるだろう。

馬車に乗せられ、見送られる。

爺やの時より圧倒的に人数が多い。

ちょっとした嬉しさと警戒心を抱いてあの人らの元へ向かう。







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