第4話カナリア様がぐいぐいくる
「君のお父さんの相手は大変だね」
「すみません」
「もうレンくんが謝ることじゃないよ!全部お父様が悪いから」
「で、でも」
「次そんなこと言ったら嫌いになるから」
カナリア様が怒ってるところ初めて見た。
「わ、わかりました」
「それじゃあ私の部屋案内するね!」
連れてこられたのはカナリア様のお部屋。
「綺麗ですね」
「でしょ?最近ベッドも新しくしたからね〜」
本当だ。ベッドも大きい。
「今夜から一緒に寝るんだよ?」
「え!?」
「お手て繋いで。寝相はいい方だから安心してね」
「手!?」
驚くことばかりで心臓が持たない。
「お風呂も一緒に入るよね?」
「お風呂まで!?」
お風呂って、裸になるよね?ということは…無理無理無理!
「まぁそれは心の準備ができてからにしようか」
「その方が嬉しいです/////」
「お嬢様お昼ご飯が出来上がりました」
「それじゃあ持ってきて」
「かしこまりました」
さすが王族。
「はい。あーん」
「自分で食べられますよ?」
「違う。私が食べさせたいの」
「分かりました。あーん」
美味しい。
昼食なのに豪華。夜はもっと豪華なのかもしれない。
前世であーんされてるやつを見て周りがすごい言っていたけど、僕にはいまいち分からなかった。
けど今なら分かる。嬉しい。
しかも美人で優しくて僕の大好きな人。
そうなれば何倍も美味しく感じる。
「美味しいですね!」
「可愛いなぁ〜レンくんにはこれから毎食してあげる」
嬉しさと恥ずかしさで複雑になる。
食べ終わるとこれからのことについて話そうとなった。
「レンくん、正直に答えてね」
「はい」
「君は婿入りしたから、実質王族。だから王様にだってなれる。」
「王様!?」
「うん。だから目指すつもりはある?」
「僕はなるつもりなんてないですよ。カナリア様に救ってもらったので。それに僕より優秀な人はたくさんいます。」
「そっか〜良かった」
なんか嬉しそう。
「実はね、私と結婚する目的が王様になるためとかいう野望を持つ人が時々いたから、気になって」
「そうなんですか」
カナリア様も大変だったんだな〜。
「続いて、君は将来学園を卒業したらなにかしたい仕事とかある?」
「仕事ですか…」
考えてもいなかった。貴族学園を卒業をしたら勘当されると思っていたから、そのまま平民に下がって…ていうのを考えていたけど、
すごい展開が変わった。
とすると…
「カナリア様の専属執事ってなれますか?」
「仕事まで私に合わせなくてもいいんだよ?」
「いや!カナリア様と一緒に仕事がしたいんです!あ、ごめんなさい」
つい強く言ってしまった。
「ううん。すごい嬉しい。それじゃあ学園もコース変更しないとね」
「あ、それなら自分で」
「いいよ。私がしておくから。君はまだ成人になってないから書類の手続きも分からないだろうし」
成人は16歳からだ。僕は今15歳なのでできない。
「ありがとうございます」
「私が君を甘やかしたいだけだから。何なら仕事もしなくていいんだよ?」
「それは…!」
前世ではヒモっていうのかな?
「考えておいて」
それからカナリア様は手続きをするみたいなので、別室に行った。
僕はと言うと隣の自分の部屋を案内される。
「広い」
一言で言えばそうなる。
正確に言うと家具も屋根裏のとは比べ物にならないくらいちゃんとしている。
けどベッドがない。
本当に一緒に寝るのか。
その時の自分に任せよう。
今は考えない。
そこには本もいくつかあって読んでいいと言われたのでそれで暇を潰すことにした。
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