第2話氷の王女にバレた!

お昼になると

「おい!俺らのパン買ってこい!」

「え、やだよ」

「俺らに歯向かったらまた殴るぞ」

「分かったよ…」

「3分で戻ってこい!」

この学園は中高一貫校に近いので校舎は2つあって購買は高校?の方で売られるから結構遠い。

「あれ?レンくんじゃん」

「カナリア様!?」

いつもは購買になんて来ないはずなのになんで…

「なんで今日はこんなところに?」

「今日はパンが食べたい気分で購買に行ってみたかったから」

「そうですか。あ!僕そろそろ帰ります!」

急がないと!

何とか間に合ったけど遅いという理由でお金は僕持ちになった。

お小遣いも微々たるものしかないから痛い。


授業終わり

「あれ!?僕の剣技用の服がない!?」

剣技用の服っていうのは体操服よりちょっとかっこいい感じの物。

「おーそれはこれか?」

見せてきたのは僕の。

「返してよ!」

「やーだよ。返して欲しければ追いかけてみな!」

いつもの3人組が走り出した。

毎回鬼ごっこだー!とかで始まる。

「はぁ、はぁ、はぁ追いついた!」

階段のところで追いついた。

「なに!今日は珍しく早いじゃないか」

「でも返したりなんかしないからな!」

「返してよ!」

最後の力を振り絞るかのように、僕は取る。

取った瞬間、

「あ、」


階段から落ちる。

頭が痛い。ヒールも習ったけど僕は魔力が少ないから使えない。

上ではアイツらが逃げ出している。

意識が遠のく。

「レンくん!レンくん!」

あれ?カナリア様がいる。

あーこれはバレちゃったなー。

それに迷惑をかけてしまう。

起きないと、でも…もう無理

~~~~~~~~~~~

「レンくん!?」

私は階段で何やら争っている人を友達と見かけた。

そこにはレンくんがいた。

数段上には3人組。報告にあった通りの3人組に違いない。

レンくんは今までいじめられていることを誰にも言っていない。

朝会う私でさえも。

それにクラスの人や教師もアイツらがいじめていることを黙認している。

もう我慢の限界。

このヒールで相手の頭に刺そうかと思ったその時、

「危ない!」

レンくんが階段から落ちた。


「おい!あいつ階段から落ちたぞ!」

「知らねえよ!とりあえずここにいたらまずいから逃げるぞ!」

どこかに逃げていく。

顔はもう覚えた。

次会ったら、

そんなことより!

「レンくん!」

すぐに駆け寄る。

「カナリア様…?」

そういい気絶する。

私はヒールをかける。

「先生を呼んできて!」

「分かった!」

友達にも応援を呼んでもらう。

しばらくすると回復したみたいで大丈夫みたいだ。


医務室で少し休ませた後

おじいさんがきた。

「坊っちゃまは!」

「大丈夫ですよ」

「これはカナリア様。国の太陽に栄光を」

「今はいいわ。それよりレンくんは大丈夫だからあなたに話を聞きたいの」

おじいさんはレンくんを確認し

「大丈夫みたいですね。それで話というのは?」

「あなたの家のことです。」

「坊っちゃまのことを話せばいいですか?」

話を理解してくれて助かる。

そこから先生に退席していただき、話を聞いた。

聞けば想像以上の物だった。

まるでメイドよりも立場が低い扱われ方をしている。

メイド達にも時々仕事を押し付けられるなんてこの国ではレンくんしかいない。

「坊っちゃまには幸せになってほしいんです…いつも私のことを気にしてくれて私の開こうとする喫茶店のことについても聞いてくれたり…ですが、私がいなくなったら坊っちゃまは…」

「大丈夫ですよ。私がいます。私にレンくんを幸せにさせてくださいませんか?」


「あなたで良ければきっと坊っちゃまも幸せになると思います。ですがまずは坊っちゃまの意志を確認してください。」

第二王女である私の前でもレンくんを第1に考えるのは良い執事だと思う。

「分かっています。必ず幸せにするので」

おじいさんはレンくんをおんぶして帰って行った。

承諾はもう得た。後は実行するだけ。

親に取ってないという話になるけど、あの人らレンくんの親ではない。

嫌がらせしてまだ自分には下がいると感じさせてくれる道具でしかない。

そんなヤツらはこの国にはいらない。


私は今まで婚約者を作っていない。そもそも好きになれる人が見つかるまで作らない。

それで両親からは次女ということもあって良いと言ってくれた。

姉さんは姉さんで幸せそうだ。

それでやっと会えた。

歳は私より下だけど、関係ない。

私がリードすればいい話だし、レンくんは何よりかわいい。

本読んでる時も剣技の授業受けてる時も!

早く私の物にして家に閉じ込めたい。

閉じ込めたら可愛そうでもあるのでそこまではしないけどね。

早くレンくんとイチャイチャしたいな〜





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る