第2話

○揺らぐ影 


「何をしているの」

手すりに寄りかかり月影で表情は見えない

「まだ指令はきてないはず」

答えることはなくじっとレイラを見つめていたが、腕から力が抜けていくのがわかる

「とにかく離しなさい

あなたが関わることではないのよ」


なぜか緊迫感はない

お互い諦めの中にいるからなのか?


沈黙だけが続いた後

無言のまま乱れを整え床に寝かせ

踵を返し手すりを飛び消えた


駆け寄り抱き上げ部屋へと戻る

小柄で華奢なレイラは存在感のない軽さだ


何事もなかったかのように

半裸に目を開け微笑みながら眠る

レイラはもうすぐ16歳になる


 変わりゆくものと変わらないもの

どうにもならないことは受け入れるしかない

どうぞこのまま導かれて欲しい

そう願いながら見つめていた。



エピローグ①

 兵隊からピックアップされた影は

まさにレイラの影であり、ボディーガード

意志を持たない剣術マリオネットのはずだった。








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