特別な種族 聖女の章

野棘かな

第1話

プロローグ


レイラはいつも夢心地

まるで笑うミルク飲み人形


真夜中はレイラの時間

夢遊病で夜歩く

その記憶はまるで無い

ベッドの中では半裸に瞼を開け

微笑みながらよく眠る



○その夜


カタカタと音が響く

扉を開けそっと覗くと

ふらふらと廊下を歩いているネグリジェ姿のレイラの後姿が目に入る

ガウンをはおり素早くレイラを追いかける

廊下を抜け時々ふらつきながら階段をあがり

月の光が明るく照らすバルコニーへ

そこにはあの黒い影が立っていた

ふらつくレイラを両手で受けとめ抱きしめる

次の瞬間

驚いたようにこちらを向き、さっと手すりに体を寄せた

レイラは人形みたくされるがままに抱かれていた。



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