第7話 どうしよう

通っている作業所の仕事の時間が6月から少し早まりまして、十数年ぶりくらいに通勤ラッシュを経験することになりました。


勤め先の清掃作業ですが、輻射熱というやつでしょうか、作業中は汗だくになります。

作業所のスタッフになかなか言いづらかったのは、正直、辛いということでした。


社会復帰を目標にしているのは確かで、時間の調整のため、仕事のない日も同じ時間帯に寝て起きています。


でも、社会に出れば誰もが経験し、自分よりも大変な人は山ほどいます。

作業所の利用者から見れば、僕の症状なんて、たいしたことないように思われるでしょうし、実際、通っていると、そういう空気というか、雰囲気とか、声を聞いたりします。


自分よりも劣っているとは言いませんが、そういう方々から見て、僕は虐げているように見えているのだろうか、と時々悩みます。


6月は鬱屈した思いによく襲われました。


勤め先(清掃)の職員に、悪口を言われているように感じましたし、フルタイムでもない時間で汗だくになることや、通勤ラッシュが大きな壁に思え、毎回命がけというと大袈裟ですが、仕事とは正面から向き合う感じで、やっとの思いだったと思います。


鬱屈した思いというのは、この時間や仕事量でやっとの思いとなると、社会復帰したらもっとキツいことが待っている……、そう思うと将来に希望が持てなくなりました。

今やっていることが無駄に思え、夢を叶えられなかった自分、また自分を酷使し、作業所に戻ってくる自分、薄給で劣等感に悩まされる自分……。


資格を取ったり、参考書を開いたり、そんな一つ一つの努力をこれから積んでいかなければならない……。


その時の環境にいちいち、心を左右されることが容易に考えついてしまい、なぜこんな世界に生まれたのか、こんな世界を選んだのか、とかなりネガティブになっていました。


作業所のスタッフは、

慣れだと思う、6月からガラリと様々なことが変わったから、等と声をかけてもらいました。


仕事を辞めざるを得なくなってから、四年が経ちます。

四年も今のような束縛や制限がない時間を過ごし、そのツケが回ってきたのだ、と割り切るようにしました。


こうして少しずつ、前向きにならないといけませんが、結局、結果オーライで、将来のことは何も決まっていません。


しかしその都度ウジウジ悩んだりするより、今できることをしていく。

どこかのアーティストも歌っていましたが、結局答えを我慢というんだろう、です。


誰かの言葉を借りましたが、今はその答えに落ち着いています。





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