第22話 一つ教えて欲しいんだけど……
「それより、体調の方は大丈夫?」
俺が質問すると、
「はい、お陰様で……」
と
どうやら、
『――っていうか、
とは『お姉ちゃん』。
そこに反省の色はなく『悪い』とすら思ってはいないようだ。
(参ったな……)
しおらしい態度で反省していれば、許してくれただろう。
(二人を会わせると
朔姫達が来る前に、説得してみよう。
「お姉ちゃんは黙っていて!」
菊花は声を上げた。
(俺と話す時は大人しい感じだったけれど……)
どうやら、身内に対しては強気なようだ。
これで『大人しくしてくれる』といいのだけれど、
『だって、気になるでしょ!』
と『お姉ちゃん』は反論する。
やはり説得は難しそうだ。そこへ、
「その疑問には
小柄な少女の影――朔姫――が現れた。
すっかり暗くなった夜の公園で、
分かってはいたけれど、大人しくはしてくれないようだ。
隠れておるから――と言っていた気がするのだけど、忘れているらしい。
(余計、ややこしい事になりそうなんだけど……)
俺は額を
『あ、
そういう反応をすると朔姫が喜ぶので
「【魔女】の
うむっ!――と朔姫。完全に『主役登場』みたいなノリだ。
せめて菊花だけでも、【神罰】が下る前に避難させよう。
『【土地神】……いえ、
とは『お姉ちゃん』。朔姫も猫には言われたくないだろう。
「
アッハッハ――と笑う朔姫。
(『余計なモノも切ってしまった』と言っていた
「ごめんね、菊花」
俺が謝ると、
「いえ、悪いのは……あたしのお姉ちゃんなので」
と菊花。俺達はお互いに頭を下げる。
「こらっ! 勝手にそういう事をすると
朔姫に注意された。
「そうよ、男なんてバカでスケベなんだから……」
【呪い】の力で
こっちはこっちで、過去に
「――で、俺をどうしたかったの?」
俺は菊花に質問すると、
「実は……」
と話を始める。
朔姫の言っていた通り、
ご先祖様は『魔女狩り』に追われ、異国の地から船に乗って逃げていた所を嵐に
そして『薬学の知識』や『魔術』を島民の
島に医者が居なかった時代は、
しかし、医療の進んだ現代においては――気味が悪いだの、
いつしか【魔女】は廃業し、その知識と力も
神月さんの先祖に当たる【神】が居なくなった
倉岩姉妹は『悪いモノ』が見えるらしく、
しかし一年前、島に入ってきた【悪魔】を名乗る存在から【呪い】を受けてしまう。
十六の誕生日までに『真実の愛』を見付けなくてはならない――というモノらしい。
これも島の開発によって、外から人が入ってきた事による弊害だろう。
良くも悪くも、この島には『神秘の力』が残っていた。
――朔姫のような存在が消えずに【神】の力を使えるのは、その
本土から逃げてきた【悪魔】によって、『お姉ちゃん』こと『
『だから、せめて妹だけでも助かって欲しかったのよ……』
と桜花さん。
(それを【呪い】で縛るのはどうかと思うけど……)
「後であたしから、きつく言っておきますので――」
菊花はそう言って頭を下げる。
「まったく……それで人の――いや、【神】の彼氏に手を出すとは
と朔姫。腕を組んでプンスコしている。
「彼氏?」
そう言って、首を
「ごめんね、こっちにも色々と理由があって……」
俺は謝る。すると、
「そ、そうですか……」
と菊花。一瞬にして目から生気が消えた。
――大丈夫だろうか?
「
ファイヤーじゃ!――とは朔姫。少しは空気を読んで欲しい。
『くっ! よくも妹を
桜花さんがこちらを
「ほら、朔姫が余計な事を言うから……」
俺が困った表情で彼女を見ると、
「
朔姫は反論する。まぁ、今回は俺にも責任があるようだ。
「一つ教えて欲しいんだけど……」
俺の
『――て言うか、あたしの言葉が聞こえていたの⁉』
と
俺が
どうにも解呪には【悪魔】を倒す必要があるらしい。
その
菊花は少しでも魔力を上げる
『昼間に行くと、生徒達が
とは桜花さん。確かに猫が校内を歩いていると目立つ。
『でも、見付からないのよね……』
そう言って、彼女は溜息を
「分かった……俺達が杖を探すのを手伝うよ」
俺の言葉に――俺達じゃと?――今度は朔姫が首を
「お
と朔姫。
「ダメだった?」
俺の
「お
と言って
『えっ⁉ いいの?』
とは桜花さん。普通なら『手伝う流れだ』と思ったのだけれど、どうやら彼女は人間不信のようだ。
今日はもう遅いので『詳しい話は明日、学校でする』という事した。
俺達は倉岩姉妹を見送った後、
「神月さんは?」
と朔姫に
「うむっ! 人払いの役として、公園の入り口で待っていて
得意気に朔姫は答えた。神月さんの存在は他人に『恐怖』を与える。
彼女が居るだけで『公園へは誰も近づこう』とはしないだろう。
(でも、そういう物みたいな
俺は急いで、神月さんの
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