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from ルカ


「やっぱり、あの日は夢じゃなかったのね」


今日話した内容が全て嘘だったら良かったのにと思うのは、タケルくんがいい人ってのを私なりに認識していたから。


「師匠を、殺した人とは思えないのよね」


鏡の前で、保湿しながらボソッと呟く。

このこと、ハヤトくんはしってるのかしら…いや、知らない方がいい。私より辛いのはあの子の方だもの。


「今日は肌のノリが悪いわね…あ、雷」


そういえば、あの日もこんな雨の日だった。



『ルカ、いいかお前はこの家を継ぐんだ』


『…はい、お父様』


家柄が厳しかった私は、一人娘として大事に育てられた。優しかった父も段々威張ってきたり、自慢の母も見捨てるようになった。


『お前は顔がいいからきっと勝敗上手くいく』


本当にそうかしら

嫌味でしか聞こえない言葉、本当の親じゃないくせによく言うわ。私は自分の顔が嫌い。




「雷って、あのジジイ思い出すからほんと嫌になるわ。」


私をおいて出ていった母も嫌いだけど

あの人だけは好きになれなかった。

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