page 39

from ユア


「今日はすごく楽しかった〜」


ハヤトくんが帰りに買ってくれたぬいぐるみをぎゅっと抱きしめてそう呟く。あそこにいる男の人の中で1番話しやすいハヤトくんは、出かけてもそのままだった。


でも、今日私がふいに呼んだ やっくん呼びに異様に反応してたけどあれなんだったんだろ。…適当に思いついただけのあだ名なのに。


「お風呂も入ったし。考えるのやめよう、

疲れちゃったしそろそろねよう。」


外は酷く雨が降ってる。晴れてくれたらいいのになぁ…。。



『これお揃いにしようよ!』


『うん!』


『釉愛とおそろい嬉しいな〜!』


『私も美花ちゃんとおそろい嬉しい…!』


この時は幸せだった。楽しかった。

美花ちゃんが私に優しくてずっと笑えていた。イルカのキーホルダー。私は水色で、美花ちゃんがピンク。ずっと持ってようねって約束したのに。


『おそろい飽きたから捨てた』


『え…』


なんでこうなっちゃったんだろうね。




「美花ちゃんっ!!…あっ、、」


大好きだった子の突然の裏切りは、あの人に出会ってから始まった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る