過去(2)

page 37

from カコ


「リン…大丈夫かな」


「ほっとけ、気分屋なのはお前が1番知ってるだろ」


「まぁ…そうだけど」


「明日になったらいつも通りだろきっとほらお前寝ろ」



昼間の優しいユウタくんはどっかに消えた。

言われた通り、自分の部屋に戻ればベットの中に入る。


「久しぶりにお兄ちゃんのこと人に話したなぁ。。」


1番大好きで、大切なお兄ちゃんが死んで10年。時が進むの早いなと思ってしまう。夢にでも出てきたらいいのに。そう思って目を閉じた。



『ただいま。…よし、親父達いない!』


『おかえりお兄ちゃん。』


『おー!架恋ただいま!今日いいものもらってきたぞ!』


『え。なーに?』


『ふっふっふっー、ケーキだ!ばあちゃんが買ってくれたから父ちゃん達がいない今食おうぜ!』


『う、うん!!食べる!!』


両親は怖かったけど、おじいちゃんおばあちゃんは優しくて大好きだった。たまにくれるケーキが美味しくて、いちごの甘酸っぱさが生クリームと合っていたのをよく覚えてる。


『カコ〜口についてる。取るからじっとしとけよ〜』


『ありがとう、お兄ちゃん!』


『おう!』


大好きな兄から渡されたたくさんの思い出。

お兄ちゃん…行かないで、そばにいてよ…


そう伝えられたら。無理矢理でも止めてたら

わがままになれたらお兄ちゃんはきっと




「っ…夢。。」


外は雨、大好きな兄の夢を見たのは久しぶりで嬉しかったのに。なんで現実では会えないのだろうか。


神様。いるなら会わせて-

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