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from タケル
「私たち初めましてじゃないわよね」
そう聞かれた時ドキッとした。
久しぶりに感じるこの感覚。敵が俺を見つけた時の感覚と同じ。ルカの言う通り俺らは1度会っている。まさかこいつ俺の過去を思い出したのか。いやでもあのときは服も凶器さえも隠しただから俺が反社の人間だとは知らないはず。ここは適当にごかまそう
「いいや、初めましてだよ。」
「うそよ、あの事件の日私にハヤトくんを託したじゃない。」
…まじか、思ったよりも厄介だな。
覚えていないそう思っていたのに、こいつ。1発頭をぶつけさせれば記憶飛ばねぇかな…いややめろ俺もう俺は反社の人間じゃないんだ。
「俺に似てる人とかじゃなくて?あ、料理焦げるよ」
「違うわ。貴方本人よ、私あの時のこと覚えてるの。あの日…」
「…っ、もう、黙れよ。しつけぇぞ」
俺が1番わかってる。
あの日俺は先生を殺した。1番人生で世話になった紘先生を。そして、ハヤトを誘拐させたのは俺の兄だってことも、居場所を教えて貰ってたから少しだけて扉を開けて自力で出たっていう風にしたかった。その行く途中にルカがいたのを俺も覚えてる。
キレたくなかったのに、思わず出てしまった俺の悪い癖だな。
「あ、…ごめんなさい。私ったら出しゃばり過ぎたわね。気悪くさせてしまったら謝るわ」
「いや、俺こそごめん。ルカ、あの日のことは後で話そう」
「え」
「覚えてるなら話は別だ。」
鍋のグツグツしたら音が、キッチンに響際立った。
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