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from ハヤト


✎…


「過去…か。」


最低限のものだけ入れたキャリーバックから、写真を手に取る。俺のいや、僕の過去を話したって信じてくれるわけがなく、仮に信じてもはなれていくのは知っているからある意味あの時発言して良かったと今は思っている。


「なんで、父様死んだんですか…

もっと…教えて欲しかった。」



いつだって、優しく見守ってくれた父親は

目標とする人で尊敬してしたんだ。いつかこの人みたいになりたいと思っていたのに。なのに、なんで?


死んでしまったのだろうか。




(過去)


「お、駿翔。また上手くなったな」


「本当ですか!えへへ、ぼく嬉しい〜」


「父さんも嬉しいよ。」


お茶を建てる音、畳の匂い。

そして大好きなお父様がいるこの和室が僕にとってはとても大切で、大好きな場所だ。


今日建てたお茶はお父様にあげるんだと張り切って建てたもの。喜んでくれるかな、ソワソワしていたらお父様の方から話しかけてくれた。


「どうした?抹茶飲みすぎて御手洗行きたくなったかい?」


「うんん、!ちがう!あのね。

今日建てたお抹茶お父様に飲んで欲しくて建てたのだから飲んで欲しい!」


「駿翔が父さんのために?」


「うん!!」


「そうか、じゃあ頂こうかな。」


一つ一つの動作が丁寧で、綺麗で、美しいお父様は本当にかっこいい。いつの間にか飲み終わっていた抹茶の入ったお椀は畳の上に置かれていた。


“とても、美味しかった。

しっかり建ててあるから飲みやすくてよかったよ“


僕にとって最高の褒め言葉。

それは、“美味しかった“ということ。それも大好きなお父様に言われたんだ。嬉しくないわけがない。



(現在)


「…父様。」


いつだって近くにいたその人はもう居ない。

名前を呼んだって居ないのに、


だから思い出したくなかった。

もう、やめよう。このままだとあの日のことまで思い出しそうだ。


「…お姉様。なんだろうこんな時間にLINEなんて」


写真たてを裏返ししにしておき、実の姉からであるLINEの返信を打つことにした。

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