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from タケル
思い出したくない過去を言うってこの坊やかなりバカなのかもしれない。言いたくなくて1人で抱え込んできた子がここに連れてこられたのでは無いのか?そもそもリンだけが知っていればいい話であって、俺らが話すほどでは無いであろう。だいいち話すバカがいるとは思えない、もしいるとするならばそいつは
「誰も言わねぇなら俺から言う。」
「俺は、大切な恋人を失った。それだけだ」
あーここにいたよ。
バカ1人が。確か…藍沢ユウタだったけか。恋人の名前は確か長岡瑠菜。分からないわけが無い、嫌でもわかってしまうんだ。ここにいるヤツらの過去に全部関与してるのは俺の家族だから。まぁだから聞いてもなにも驚きもせずにいてしまうから言う必要性もないんだけど。
「えっとじゃあ、私も…」
「わ、わたしも。。」
次々と上がっていく手。
松島カコ、西野ユアか。こいつらはきっと断れない性格のタイプなんだろうな。滲み出ている。人の真似ばっかしてても何も成長なんてしないのに。
「俺はパス。なんで思い出したくない過去をわざわざ言わないと行けないわけ?」
このまま、過去について話すんじゃないかと思った所で止めたハヤトの言葉には何処かトゲがあった。まぁ、誘拐された子だ。人には不信感から入るんだろうな、手が震えている。話したくないのには俺も同じだったので、便乗の意味を込めて
「俺も遠慮しとくよ。人に言えるほど口が軽いわけじゃないし。」
「私も辞めとくわ。決して今言えることでは無いのはリンも分かっているんじゃないのかしら。何れにしても言う日は来る。今日は引越しで疲れたわ。ほら、皆もそうよね?」
ルカの言葉に、リンはわざとらしく
“うっ!!“と言うと、それもそうだねと言った。ったく、リンの発言力には戸惑いしか起こらない。今回の被害者はバカ1人ですんだが、これからも気をつけないとな。…ちらっと見れば、なんで俺だけなんだよくそ!と手を床に叩いている姿が見えた…少しだけ可哀想だな。
引っ越しして、まだ数時間しか経っていないが人間性はよく分かる。
どんな毎日が始まるのか。、…楽しみだ
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