四月三十日
県庁所在地を覚えてね。
最後に言うべきことは本当にそれであっていたのかと思い返すほど、あれもこれも思い出してしまうのは昔からの悪い癖だった。
名古屋は福岡にあると思っているところも、罰ゲームで昆虫ゼリーをなめたことも、年賀状を送るために知った住所まで行って、先生の家にピンポンダッシュして三時間怒られた友達がいたと話していたことも、バチカン市国をバカチン市国と書き間違えた先生がいたことも。
トイレットペーパーを濡らして壁に投げたら怒られたことも、茶髪になるために水泳を始めたことも、生ゴミはマグマに捨てればいいと安易に考えていたことも。
小学校の卒業記念品のシャーペンをダサいセンスの塊だと評したことも、ハングルをオスメスの記号みたいだねと言ったことも、クエスチョンマークを・から書くことも、虹のわっかを反射で見たことも、鼻息が荒い先生のことを、すぴーすぴーと呼んで反省文を書かされたことも。
そんなことを話して聞かせると、あーそんなこともあったっけ、と目を細めて笑う
誕生日おめでとう。
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