第25話 アカネの能力
満腹で満面な笑みを見せるアカネさんとアメリアちゃん。勿論、
『し、至福の一時であった。やっぱりミナは我の専属料理人に……』
「なりません!」
『ムウ、ダメか』
食い意地のはった
「アカネさん、能力値の確認をしてくれるかな?」
「? ナゾウくん、私はかなり弱いから」
そう言ったアカネさんに実はと言って、転移されてくる前に謎の声が言った事をアカネさんに伝えた。
「ん〜、どうかな? 私は何も変わった気がしないけど…… でも確認してみるね」
そう言って確認を始めたアカネさんが、大声を出した。
「!! っな、何コレーーっ!」
「どうしたの? アカネちゃん。何か変わってた?」
ミナがそう聞いて、私にも見えるように開示してみてと言った。
「うん、分かった。ミナちゃんも見て」
そして、開示されたアカネさんの能力。それは
名前 アカネ(
レベル 50
職能
美と光の女神ウィナスの加護
力 185
技 255
早 210
攻撃 (455) 防御 (325+3)
武器 無し 防具 庶民服
職能補助技能
剣舞(踊りながら敵を切り刻む)
ダンシングソード(火水風の三属性の剣を生み出し敵に向かって飛ばせる)
闘気鎧(体に闘気を
闘気刃(闘気を刃として敵に飛ばす)
鼓舞ダンス(見た者の士気を高めるダンス)
【管理】
体調管理 自身と任意の相手の体調を管理する
健康管理 自身と任意の相手の生活を管理する
品質管理 モノの品質検査、検証、保証を行う
履歴管理 どのように作られたモノか調べる
危機管理 危機を見つけ最小限に抑える
労務管理 人を効果的に配置する事が可能
とんでもなく凄い技能じゃないか。俺やミナよりもチートじゃないのか?
あ、でも管理するだけで回復する
それにはミナも気がついたようで、
「うわー、アカネちゃん。凄い技能だね!」
と自分の事のように驚き、喜んでいた。アカネさんもミナに聞くところによればラノベで異世界モノが好きらしいので、自身の能力を見てある程度の把握は出来ているみたいだ。
「アカネちゃん、それぞれの詳細は強く念じたら出てくるよ」
ミナが早速そう教えていた。そして、詳細を見たアカネさんは、ミナにだけ説明をする。まあ、俺も後でミナから教えてもらえるから今すぐ知る必要もないからね。
そこで俺はアメリアちゃんに声をかけた。
「アメリアちゃん、二人の話が終わったらアランのいる村に向かうよ。もう少し待ってくれるかな?」
「はい、ナゾウさん。それにしてもナゾウさんもミナさんもレベル50なんですよね? この国最高レベル三人がここに揃っているなんて、凄いコトです!」
アメリアちゃんが少し興奮している。その仕草は年相応で可愛らしい。ウンウンと頷きながら見ていたら、ミナが
「ナゾウ、お話終わったよー。それじゃあ、アランくんのいる村に戻りましょうか」
「お、そうだな。それじゃあ戻ろう。あとアカネさんにあの木の棒を渡してあげてよ。武器なしよりもマシっていう程度だけど、何も持たないよりはいいと思うから」
「そうだね。アカネちゃん、ハイ。間に合わせだけど、コレを使ってね。」
「有難う、ミナちゃん。それから、ナゾウくん。私の事は呼び捨てでもいいのよ?」
何て言われたけど、付き合ってもないし、然程親しくもなかったので俺にはハードルが高いから、ミナと同じように【ちゃん】付で呼ばせて貰うことにした。
そして、
「よし、それじゃあ
俺の声と共にミナ、アカネちゃん、アメリアちゃんが一緒に頭を下げた。そして、頭を上げたら
『何を言っておるのだ? 我も一緒に行くに決まっておろう。まだまだお主らは弱い。これから我も同行して更なる高みに登らせてやろうぞ!!』
そう力強い声で言うマナガルム。しかし、俺達は騙されない。
「うん、で、本音は?」
『それはもう、ミナの料理を食べなくては生きてゆけぬ体になってしまった故に……』
「結局、
「まあ、私はいいけどね。喜んで作るよ」とミナ。
「あの、本当に神獣なの?」とアカネちゃん。
「し、神獣様……」とアメリアちゃん。
「この森はどうするんだよ? 気に入ってたんだろう?」
という俺の問いかけにマナガルムは
『ああ、案ずるな。お主ら二人がダンジョンにいる間に、我の神気を込めた石を四方に埋めておるのでな。無害な動物や人以外は入れぬよ』
とアッサリと言った。コイツ、初めから
「姿は変えれるのか? 流石にそのままだと村が大騒ぎになるぞ」
と俺が指摘したら
『我は神獣ぞ、他愛もないわ!』
と言って変化した。後には
『先に言っておこう。この姿の時は我の言葉はナゾウ、ミナ、アカネしか聞こえぬ。だから、人がいる場所で我に話しかけられたからと言って、声に出して返事をしたら変人に思われるから注意するのだぞ。返事は心の中で思うだけで良いからな』
と、マロガルムじゃなく、マナガルムがそう教えてくれた。そして、アメリアちゃんがマナガルムに抱きついた。
「ナンデスのー、ナンデスのー! この可愛いお姿は!? 神獣様だと分かっていても申し訳ございません! 私の心と体が我慢を放棄してしまいましたー!!」
ああ、この世界には黒柴はいないんだな。その愛らしさにメロメロのようだ。
『コ、コラッ、ナゾウ。微笑んで見てないで助けぬかっ!』
『いや、この中ではアメリアちゃんが一番弱い。そして、マナガルムが一番強いから、守ってやってくれよ。序にその姿の時は呼び名は【マロ】な』
『な、何だ、その呼び名は! 我は神獣ぞ! もう少し敬意を払っても、』
『嫌ならミナの作るご飯は今後一切ナシだな』
『分かった、言うとおりにしよう』
うん、チョロいな。そして、俺達は村に向かって歩き出した。
(マナガルムの内心)
『ウム、やはり言えぬな。女神様から直々に彼らにこの世界の脅威に立ち向かって貰うのだという神託を授かったが、それは内緒で良いだろう。そもそも我は反対しておるからな。彼らは理不尽にもこの世界に連れて来られたが、それでも一所懸命にこの世界で生きようとしておる。そんな彼らを脅威に誘導するなどは出来ぬよ。まあ、女神様も見守るだけで良いとは仰ったが…… 彼らの性格上、導かずとも脅威に自然と立ち向ってくれるだろうとの事だしな。我は本当に危ない時だけの手助けを許されておるが、基本的には彼らが自由に生きられる手助けはしてやろうと思う。何よりミナの作る飯は旨いからな!!』
結局は食欲に帰結する
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