第4話 レベル3になりました
俺達二人は顔を見合わせた。えっと、俺が上がるのは分かるけどミナも上がったのか。さっき、レベル2になったばかりなのに。まあ、取り敢えずはゴブリンが落とした魔石(のような石)を三つポケットに入れながら、二人で能力値を確認してみる。腰布が無くて助かったと思ったのは俺もミナも同じ気持ちだろうと思う。
名前 ナゾウ(旦 那三) 男 十七歳
レベル 1→3
職能 丁稚
力 20→25
技 15→18
早 22→24
攻撃 (46+3) 防御 (33+5)
武器 木の棒 防具 異世界の学生服
職能補助技能
水源探知
危険察知(効果範囲は自身の半径四十メートル)
聞耳(十メートル離れた小声も聞き取れる)
【
強力 自身と任意の相手の力を二倍にする
強健→強壮 自身と任意の相手を健康にする
強固 自身と任意の相手の防御を1.5倍にする
強壮剤 健康になる薬を出す
名前 ミナ(奥 三那) 女 十七歳
レベル 2→3
職能 家事見習い
力 15→17
技 21→23
早 12→15
攻撃 (38+4) 防御 (27+5)✕1.5
武器 木の棒 防具 異世界の学生服
職能補助技能
料理(食材を見たら料理方法が分かる)
清潔(服や体、飲食品の汚れを無くす)
裁縫(素材があれば服を縫える)
着火(指先から小さな火種を出せる)
【野宿】
場所確保 安全な場所を知る事が出来る
トイレ トイレを創造出来る
壁 土や木を利用して壁を創造出来る
「んなっ!?」
「えっ!?」
先のが俺の声で、後のがミナの声だ。二人とも自分の能力値を見て驚いている。そして、顔を見合わすと、
「えっと、ミナ。俺レベル2を通り越してレベル3になってた。それに技能も進化したり増えたりしてる」
「えっ! ナゾウはレベル3になったの? 私もレベル3になったよ。それから技能は進化はしてないけど増えたよ」
えーと、ドレドレ。おう、確かにミナの職能補助技能と技能【野宿】の項目が増えてる。
【裁縫】か。素材があればミナに服を作って貰えるんだな。更に【着火】だ。火が出せるなんて素晴らしい。コレで夜間に急に冷え込んでも火で暖を取る事が出来そうだ。それに、【野宿】の方は【壁】を創造出来るようになったのか。その時に俺のスキルを見たミナが驚いて声を上げた。
「凄い! ナゾウは強くなったね。職能補助技能の【危険察知】が半径二十メートルから四十メートルになってるし、【聞耳】なんて技能も増えてる。技能【強】も【強力】が任意の相手にもかけられる様になってるね。それに【強健】が【強壮】に変わってるね。コレが進化かな? 【強壮剤】は凄いね。お薬を作れるんだね」
驚きながらもニコニコと笑顔で俺にそう言ってくれるミナ。俺はその笑顔を抱きしめたくなるが何とか自制した。そして、
「ミナも凄いじゃないか。この先、素材を手に入れたらミナに服を作って貰えるし、火も出せるなんて。それに壁があれば安心して過ごせるようになるよ」
と俺もミナの能力を持ち上げた。エヘヘ、そうかなと照れ笑いするミナ。くぅー、いつまでも見ていたいけど、太陽の傾きを見て地球と同じなら後一時間ほどで日没になると思った俺は、技能を発動させながら、ミナに言った。
「ミナ、どうやら今日中に辺境の村には着きそうにないから、野宿出来る場所を探そう。俺は技能で水のある場所を探すから、ミナは技能で安全な場所を探してくれるかな?」
「あっ、うん。そうだね、分かった。私も技能を使うね。それで、ナゾウの技能と私の技能が違う場所を示したらどうするの?」
「その時はミナの技能に従うよ。水は最悪でも何とか手に入ると思う」
「そっか、分かった。それじゃ技能を発動するね」
「ああ、頼むよ」
そして、幸いにも俺の技能とミナの技能が指し示す方向は同じだったので、その方向に進んだ。
暫く進むと小川が見えた。するとミナが
「どうしようナゾウ。私の技能がまだ先を示してるの」
と言うので
「なら、ミナの技能を信じて進もう」
と俺は返事をした。そして、小川の上流に向かって進むと、キレイな泉があり何故か周りにはキレイな花も咲いていた。
「うん、ココだよ。ナゾウ、私の技能が示したのはこの場所みたい」
ミナがそう言って足を止める。俺も足を止めた。
そして、取り敢えず食べ物がない俺とミナは、泉の水を飲んでみる事にした。だけど俺が掬おうとした時にミナがちょっと待ってと言う。
「職能補助技能の【料理】で見てみるね」
と言い、技能を発動させたミナは
「大丈夫、飲んでもお腹が壊れたりしないみたいだよ、ナゾウ」
そう教えてくれたので、俺は安心して水を飲んだ。そして、咲いてる花から少し離れた場所でトイレを創造して、三方を壁で囲うミナ。そしてトイレから離れた場所で更に三方に壁を出したミナは、今夜はココで寝ようねと言ってくれた。
本当にミナ様のお陰で、野宿でもかなり安心して過ごせそうだ。俺達はまだ日が沈んでない内に折れた木を集めて壁の側に積んでおいた。火種で火を点けられるように枯葉もかなり集めて、それは壁の中に入れて置いた。風で飛んでいったら苦労が水の泡になるからな。
そして、ミナが創造してくれたトイレで小用を済ます。その後にミナもトイレに行った。勿論俺は【聞耳】技能は封印していたぞ。紳士として当たり前の事だからな。
それから、寝床用の壁から少し離して火を
「ナゾウ、あのね。レベルアップについて考えてたんだけどね。スライムが五体でレベル1から2に上がったでしょう。仮になんだけど、スライム一体の経験値が一だと考えて、レベル1から2に上がる必要経験値が五だとしたら、レベル2から3に上がるのに必要な経験値が十なんじゃないかな?」
「ん、確かにそれはありそうだね。つまりミナが言いたいのは、倍々経験値だよね?」
「うん、そうなの。だから、レベル4になるには二十の経験値が必要だと私は思ってるの」
「スライムのくれる経験値が一だと仮定して、ゴブリンは一体で十だと考えてるんだな。それだとミナの現在の経験値はちょうど十五で、俺が二十四になるね。レベル4に上げる為にはミナは後ゴブリン二体を倒す必要があって、俺がゴブリン一体とスライム一体でレベルアップだと考えていると」
「うん、その考えであってる。それも検証しながら辺境の村を目指したらどうかなと思うの。せめて、レベルが5になるまでは」
俺はミナの提案を考える。今の所、レベルも低いし、スライムとゴブリンしか出会ってないから検証するならその二つのモンスターでということになるけど、確かにレベル5ぐらいまでなら検証しても良いかもしれないな。そう思った俺は
「うん、分かった。ミナの言う通りにしてみよう。それと、検証する為に明日はゴブリンとスライムを探しながら、食料も探そうよ。ココを拠点にして、レベル5になってから辺境の村を目指してもいいと思う」
そうミナに返事をした。それから、今度は俺の考えをミナに言った。
「技能なんだけど、レベル2の時は何も変化が無かったけど、レベル3で増えたりしたから、奇数だと何らかの変化がこれからもあるかも知れない。だから、レベル4、レベル5とレベルアップするのはちょうどいいと俺も思う」
「うん、そうだね。ソレも合わせて検証してみようね。あとね、ナゾウがかけてくれた強健なんだけど、ナゾウのレベルアップと共に強壮に変わって、まだ効果はあるみたいなの。お昼すぎぐらいにかけて貰ったから、もう六時間以上になるけど、明日の朝、起きたら確認してみるね」
ミナがそう教えてくれたので、俺も確認してみると、確かに強壮になって、効果は残っている。うん、朝にどうなってるかな。
そうして、暫くして俺は危険察知を常時発動していたが、ミナがこの場所なら大丈夫みたいだよと言うので、壁の中にミナと一緒に入った。ミナは焚き火も含めた壁を作りなおして、じゃあ寝ようと言って俺に抱きついてきた。
オイッ! ミナ!
俺は理性を総動員して必死にある衝動を抑え、優しくミナを抱きしめながら横になった。
気がついたら二人ともグツスリと寝ていた。
あっ、因みに屋根は無いから一酸化炭素中毒にはならないからね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます