第2話
小さな塾の職員室…とは、言い難いぐらいのボロい部屋に大きな机と椅子とパソコンと電話機があるのみだった…
そんな部屋で、熱実勝利はカップラーメンを食べていた。
「クソォ…生徒が集まらない!!なぜだ!こんなにも熱心にやってるのに!!
気合いだ気合いだー!」
感情の炎が手から出てきた。魔法である。
そして炎が机の上にあった塾の体験入学のチラシの上にポトンと落ちてしまい、炎がブワッと大きくなった。
「まずい!!消火機!!」
なんとか消火機で炎をかき消した。
「ふぅーっ危なかったぁー!でも俺はビックになる男!この塾も絶対に成功させるぞ!」
そう強く決意させていた。
この世界には5つの魔法が存在する。
炎、水、風、氷、光である。
日本は魔法が使える割合は1000人に1人だった。熱実塾の設立者、熱実勝利は炎の魔法の使い手だった。というのも、手から炎を出せるだけだが…。
それで熱血塾講師になったのかというと、そこは謎である。
なぜ小学生が対象であるかというと子供の頃は日本語や母国語が話せずにいるとイジメにあう確率が高くなってしまうのと、熱実は朝から昼の間、パソコンで外国人に日本語や、海外にいる日本人に外国語を教えているから、塾を開く事ができないのである。
塾を設立してまもないため他の講師も雇えず自分一人で塾の経営と講師をしていた。
貧乏生活で塾に住み込んでいる熱実だったが、大きな夢があった。それはこの設立した塾を大きくすること、世界を旅すること、であった。
「今日も一日頑張るぞー!まだ二人しか生徒は集まってないが、どんどん増えていく!必ずさー!」
熱実は決して希望を無くしたりはしない。
いつも夢で溢れていた。なぜなら熱実は熱血塾講師だからだ。
「熱実くん、今日も元気やなぁ…!」
「佐藤さん!当たり前ですよ!俺にとって毎日は夢と希望でいっぱいですから〜!」
この塾の物件の持ち主、佐藤さんが部屋に入ってきた。彼は定年退職したばかりの還暦で大阪から東京へ上京し、悠々自適な暮らしを送っていた。
「ええなぁ!その元気なところがわいは好きなんや!今日も頑張ってな!」
「はい!もちろんですとも!」
熱実は気合いを入れてパソコンに向かった。
そして夕方になり、塾が始まる時間になった。1時目は5時〜5時40分、2時間目は6時半から7時10分までだった。
まだ英語を学びたい9歳の少女と韓国語を学びたい10歳の少年しかいないため、2時間しか授業がない。
熱実はまだ二人しか生徒がいないが、生徒がいることに喜びを感じ自分の子供のように思ったいた。
「今日も張り切って行こうー!…て…おや?」
ギーっとドアが開いた。熱実の知らない少女が入ってきた。
「あの…このチラシを見て…体験入学させて欲しいのですが…」
「おおおーーー!!本当かい?!待ってたよーー!」
チェリンは目の前に立っている講師?らしき男に戸惑った。とんでもなく熱血である。
「こんにちは、アン・チェリンです。小学四年生です。よろしくお願いしま…」
「チェリン!!!ようこそ我が熱実塾へ!
君を歓迎するよー!!君には希望と勇気で満ち溢れているね!!その輝きを先生はもっと輝かせてみせるさ!!」
「え…あ、はい…ありがとうございます…」
「ところでチェリンは何語を習いたいのかな?」
なんなのこの先生…いきなり名前呼びだし…
やっぱり来るの間違いだったかな…
「韓国語を学びたいです…私は日本に住んでて韓国語を全く知らないけど、両親が韓国人で…」
「そうなんだね!!素晴らしい心がけだな!先生は全力で応援させてもらうよ!!!こっちに来たまえ!教室はこっちさ!」
チェリンはこうして体験授業について行くことになったのだった…
進め!熱血語学塾講師! @chie0516
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