第12話 「泣器性愛(ダクライフィリア〕」
ランカの誘導で誰にも会わないようにして学校を後にした。
依頼人の家までは少し距離があるは、意識のない人間を担いでタクシーを使えば必ず印象に残って証拠に繋がる可能性がある。
『しゃーないか』
人目を避けながら歩いて向かうことにした。
20分ほど歩くとアンナの家の前に着いたので、玄関に鈴を転がしチャイムを鳴らす。
「わっ…早かったですね…」
『これ、何処に運びますか?』
下に転がした鈴を足で突いて聞けば、自宅の二階にと言われたので運び込む。
「そこらへんに置いて手足を縛って置いてください」
言われるがまま床に転がし、ガムテープで手足を固定する。
アンナは何やら準備するものがあるから鈴を起こしておくようにと言い部屋を出ていった。
『おーい、起きろよ』
声をかけながらペチペチと軽く頬を叩くも無反応、次は胸ぐらを掴み上げ右手を振り上げる。
バッチィンッ!!
思いっきり顔面を引っ叩いた。
『おはよぉ、起きる時間だよ』
「ここ…どこ?私に何するの!?」
『私はキミに用はないけど別の人はあるみたいだよ』
「別の人って…」
いつもと変わらない様子で話しかけてくる紅の事を意味がわからないという感じで見ていたが、そこにアンナが戻って来た事で一変する。
「あんた!弱虫アンナのくせにこんなことしてただで済むと思ってんの!?」
うん、どうやらいじめっ子といじめられっ子のような感じかな。
「あんたの言い分はどうでもいいの、そんな汚い口はなくてもいいと思わない?」
その言葉を合図に紅は鈴の目の前にしゃがみ込み、口へハサミを当てがう。
「やっ…やめ…」
ジャキンッッッ!!
「イダイッ!あ"ァァァ!!!」
右側を耳の近くまで引き裂いた。
痛みで泣き叫ぶのを無視して反対側も同じように行う。
ジャリッ!!!
「ーーーっ!!」
あまりの痛みに悶絶した後、意識を失った。
次はどうすればいいのかと思い後ろを向くと、アンナが恍惚とした表情を浮かべてこちらにくる。
「なんて…なんて素敵な泣き顔…」
ボロボロの顔を眺めてたと思えば、おもむろに携帯を取り出して写真やムービーを撮影し出した。
あらかた撮り終わると次の指示。
「次は裂いた口をこれで縫い合わせてください」
太い針と糸を受け取り、たった今裂いた部位を今度は縫い合わせる。
プツッ…ブツッ…ブツッ…プツッ…
無言で縫い続ける紅の表情はアンナからは見えない。
口の端が少し上がっているので笑ってるようだが、それは紅本人も気付いていないようだ。
「縫い終わったら次は目玉をくり抜いてください。眼球は傷つけないように」
え…なんて? くり抜け??
頭の中でグルグルと思考が廻り、道具が無い中でどうやってくり抜くか思案した結果は素手。
それしか思いつかなかったので、自分の鞄から医療用のゴム手袋を取り出して両手につける。
「あ…あぁ、いあ"い…いあいよぉ…」
目が覚めた鈴の前髪を掴み上を向かせ右目に手を添えた。
グチュッ ブチブチ…
「あ"ぁぁ!!や"ーーー!!」
右の目玉をくり抜くと痛みのあまり転がり回る。
アンナはそんな姿もずっと動画と写真として保存するのに勤しんでるようだ。
「ありがとうございます。もう十分なので窒息させて殺してください」
まためんどくさい事を…
ただ首を締めてしまえば簡単ではあるが、きっとアンナはそんなんじゃ納得しないだろう。
でも今すぐ使えるものは無さそうなので痛みで呻く鈴を見て考えてたら閃いた。
「あう…うぅ…」
どうにか痛みを逃がそうと頑張ってる鈴を仰向けにして馬乗りになり、身動き取れないように押さえ込み腕から血液を抜き始める。
マグカップ一杯分ほど採ると、次は鈴にストローを咥えさせて口と鼻を厳重に塞ぎストローからしか呼吸できないように細工した。
ここまでくればアンナも察したらしく、紅の手から血液入りの入れ物を受け取り呼吸口へ漬け込んだ。
「ゴボッ!ブッ…ボゴボゴッ!!」
馬乗りになられ身動きできないように体を固定されているため抵抗はできない。
自分の血液で窒息していき、鈴は苦しみ踠いて5分ほどで息絶えた。
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