第29話 伝統.3
グロギシア=ラルドは雷球はすでに俺目掛けて放出されている。
俺は偶然か分からないけど、炎の壁を出す事ができた。
ちなみにこの炎の壁の名前である炎壁(えんへき)も思いつきだ。
雷の攻撃に炎の防御が通用するのかどうか・・・ん?あれ待てよ。炎に雷って・・・。
(ドッカーーン!!!)
「や。やっぱりだ!爆発した!」
「な、なんだ、これ!爆発したじゃねぇかよ!」
グロギシア=ラルドの攻撃が消えたのはいいけど、お互いに驚いた。
爆発からの凄い爆風だ。けど五行紋を開放してるおかげか、火傷とかしていない。
普通なら、爆風だけでも人はかなりの火傷を負ったりするからな。
もしかして五行紋を開放してる時は防御力みたいなのも上がるのかもしれんぞ。
(よかった。いやマジでよかった。とにかくこの手合わせを早く終わらせよう。)
俺はすぐに攻撃態勢に入って、五行紋に魔力を流し、そのまま炎をイメージした。
俺は左手に炎の玉を出して、上空に放った。
「グロギシア=ラルド行くぞ!炎雨(えんう)!」
俺が放った炎の玉は上空で空気と混ざり散らばり炎の雨となった。
そして炎の雨がグロギシア=ラルドめがけて降ってきた。
(俺の予想が正しいなら、五行紋を開放してる状態なら防御力が上がってるだろうから、大火傷とかは大丈夫だろう。)
「うわ!!!」
まるで赤く染まった血の雨だな。
いや多分大丈夫だと思うけど、とても熱そうだ・・・。
とはいっても、火力は加減したつもりだから、大火傷はしないはず。
「熱い!熱い!お、俺の負けだー!勘弁してくれ!」
おっと。さっきの威勢はどこに行ったんだ。攻撃を受けてすぐに降参とは。
うーん。やっぱりエルリスと同じなのか?
とりあえずグロギシア=ラルドが大声で負けを認めたので俺はすぐに五行紋に魔力を流すのを止めて攻撃を終わらせた。
「以外と早い勝負でしたね。ではグロギシア=ラルド君が降参したのでこの勝負エンペル=キョウ君の勝ちとします。二人共、ケガもなくよかったです。」
確かに思ったよりも勝負がすぐに決まった感じだな。
雷は怖かったけど、何とか勝ててよかった。
教室で、俺はこの生徒達には負ける気がしないと傲慢な気持ちで思ってたが、訂正しないとな。
俺もいい年したオッサンなのに、まだまだ大人げないな。
俺は舞台を降りて、闘技舞台の上で座り込んでるグロギシア=ラルドの所へ向かった。
「えーっと、大丈夫?」
「う、うるせぇ。」
「ゴホン。ラルド君。」
っとそこで先生の一言。
「あ・・・。ちっ。」
素直じゃない子だ。
反抗期かもしれないな。
っと思いながらも、なかなかいけ好かないヤツだと俺は思った訳で。
手合わせも終わったし、お互いケガもなかったと言う事で俺達は全員教室に戻る事になった。
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