第26話 Dクラス.2

とりあえずナッグ先生のおかげで生徒達は落ち着いた。っと思う。


「さて、それじゃまずは自己紹介からしていきましょう。」

(まぁ、普通の流れだとそうなるよな。)


初めてのクラスでさらに初めての顔ぶれだし同じDクラスのメンバーとして皆の名前なんかを覚えておくのは当然だろう。

じゃ、まずは一応精神的に大人である俺から自己紹介を・・・

(ガタっ)


(あ、出遅れた・・・。)


俺から自己紹介をしようとした矢先に後ろから誰かが椅子から立ち上がる音が聞こえた。

反射的に後ろを振り向くと、まぁまぁ可愛い系のブラウン色のストレートな髪をした女子が立っていた。


「西の都市リャムからやって参りました、レイゲン=セナと言います。この東都市だけにある学園・・・グロリペンス学園の学園職員になりたくて入学をしました。宜しくお願いします。」


ふむふむ。どっかのお嬢様か?年齢の割に冷静な話ぶりだな。

それに乗っかかってきたのかまた次の生徒が椅子から立ちあがった。


「俺は、東都市リュヘム出身のペイル=ヴァンだ。東西南北の中心に位置するゲイル王国の属性者になりたくてこの学園にきた。」


お、父さんが言っていた王国属性者ってヤツか。

外見的には真面目な筋肉質な男前って所だな。外見も中身も固そうなヤツだな。


「僕は、南都市マルキダ出身で名前はロイ=ペンと言います。ぼ、冒険者を目指しています!宜しくお願いします!」


おー、緊張してるな。

まぁ平均的な少年って感じだな。緑色の髪をしてるのは違う意味で印象に残る感じだな。

それに父さんと同じ冒険者を目指してるなら、もしかしたら俺と気が合うかもしれんな。


「・・・・・。」


ん?この勢いであと一人も自己紹介をするのかなっと思った訳だが、反応がないぞ?

もしかして俺から言っちゃってもいい感じですか?

よ~し、では遠慮なく次は俺の自己紹介だな。


(ガタン)

っと俺は席を立ちあがった訳だ。


(ガタン)

え?後ろから何だか立ちあがった様な音がした様な・・・。

ゆ~っくりっと後ろを振り向いてみると、そこには何故だか俺の方をメチャクチャ睨んでるヤツがいるんだけど。

まさか、いきなり意味不明に絡まれたりしないよな。ハハ。まぁ先生もいるし大丈夫だよな。


「おい。お前、俺の目の前に立つなよ。病院行きにすんぞ。クソガキが。」

(ん~。多分俺に言ってるよな。)


(チラっ)

っと後ろを見てみるとやっぱり俺の方を見ているぞ。

うん、俺いきなり絡まれてる。


「先生、目の前にいるんだから、何とかしろよ。

俺は基本的に平和に過ごしたいだけなんだって。」

って思いっきり叫べたらどんなに気持ちが楽になるか。

俺はとりあえず先生の方をチラっと見て内心助けを求めた。

まぁ、正直俺的に粋がってるまだまだ子供の生徒に負ける気はしないが、やはり大人としてできるだけ大人げない事をしたくないしな。

(13歳ですけど。)


「え~、君は確か北都市のレイズから来たグロギシア=ラルド君だったかな?何で突然イライラしてるのかな?」

っと先生が言った。


「うるせぇ。俺が席を立ったらソイツが俺の前で突っ立てたからだよ。」

(なんだろ・・・。ものすごくエルリスと同じ感じがするぞ。)


金髪の髪をツンツンに逆立てて目つきも悪いし外見は完全にヤンキーだな。

と、いうことで俺はいきなりの初対面であまり揉めたくないから、穏便に会話をしてみた。


「えっと、さっきのは偶然とはいえ、気に食わなかったなら謝るよ。一番前の席だったから、君が立ったのに気づかなかったんだ。ごめんね。」

「お前、何様だ?お前如きが俺に普通に喋ってんじゃねぇぞ。俺より弱いヤツは敬語を使えや。」


うん、やっぱりコイツエルリスと同じタイプだな。

っていうか、何でコイツは自分が強いと思ってんだろう。

って思うよな。誰でも。

まぁ、実際感覚の話になるけど、現時点で俺は正直このクラスの誰にも負ける気がしない。

コイツは自分の実力を勘違いしている、世間知らずだな。


「う~ん。数少ないDクラスのメンバーですし、できれば全員仲良くしてほしいんですが・・・。そうだ。そんなに言うなら、いい事を思いつきました。」

っと突然先生が言ってきた。








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