第9話 家に着いた
グロリペンス学園を出て東都市リュヘムを出て家まで30分程歩いてやっと家に着きましたよ。
(やっぱり疲れた・・・。)
「ただいま。」
家に戻った俺は何気ない感じで両親とエルリスがいる部屋に行き一応五行属性を会得したまでの報告をする事にした。
「父さん、俺五行属性を会得してきました。」
(どういう能力か分からんがな。)
「そうか。」
(あれ?実の息子に対して何か冷たい気が?気のせいか?)
少し俺の予想していた言動が外れたんで気になったけど、まぁいいや。
「おい。」
っとエルリスが俺に喋りかけてきた。
「何?兄さん。」
「キョウ、お前もやっと今日から五行属性者として生きる訳だけど、明後日から学園に入学しても俺と兄弟なんて言うなよ?恥ずかしいからな!」
(はい?何いってんだ?コイツは?)
別にいちいちエルリスの事を兄弟と言わなければならない理由はないな。
できれば兄弟じゃない方が俺的には嬉しいんだけどな。
っと、それよりもエルリスの口から気になる言葉が一つあったな。
「え?俺明後日から学園に入学するの?」
ゴミを見る様な目で見るエルリスを横に父さんは、腕を組んで目を閉じたままに返答してきた。
「そうだ。13歳になり五行属性者となった者はグロリペンス学園の試験を経て入学をする事になっている。」
なるほど、まぁ、前世では学校なんて7歳から入学して勉強ばかりだったから別にこの世界にそういうのがあっても不思議じゃないよな。
あの立派な学園に入学か・・・。ハハ、どこかの金持ちになった気分になっちゃうな。
いや浮かれるのは早いぞ。今父さんの言った試験って言葉が気になる。
俺は父さんにすぐに聞き返した。
「父さん、試験って?」
そう言うと父さんは少し溜息をつきながら、ゆっくりと目を開けて俺に言った。
「試験を受けて合格すれば晴れて入学できる・・・が、合格できない者は学園からも見放され五行属性者として失敗作として扱われる。試験内容は毎年変わるからな。俺にも分からんのだ。」
(なるほど。ようは行き場所がないホームレスか・・・。)
「そうだ!合格できないヤツなんてゴミも同然!お前如きじゃ不合格になり、父さんや母さん、学園からも見放され一生、奴隷労働者どれいろうどうしゃとして死ぬまで扱われるんだよ!」
(何言ってんだコイツは。はぁ・・・。)
俺が唯一転生して後悔しているのは兄弟がこのヘルリスだということだけだな。
俺が弟じゃなく兄として生まれていたなら説教をしてやる所だ。
それにしても父さんや母さんはヘルリスがこんなに言ってるのに何も言わないんだな。
ちょっと腹は立つ。言い返そう。
「兄さん、ちょっと言いすぎじゃないかな?確かに俺は今日五行属性を会得したばかりだし、自分の能力もよく分かっていないけど、決めつけて不合格になるってありえないよ。」
そう言うと、父さんが口を開いた。
「いつも言い返さないキョウが言い返すなんて珍しいな。言い返す度胸もない息子だと諦めてたんだが、まだ分からんか。キョウ、今から俺がお前の五行属性がどれほどのものか見てやる。外に出なさい。」
そうして俺は父さんに俺の五行属性がどれ程のもの見てもらう為に家の外に出る事になった。
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