第7話  キョウの五行紋.1

「キョウよ。基本属性なる五行紋なら簡単に説明できるが、特異属性者の五行紋の説明はちと難しくてな。実際に使ってみた方が早いと思うぞ。」

(使うたってどうやってだよ・・・。)


俺も父ローランドやエルリスや母クリスの様に炎や水属性っていうなら、容易に想像もつくし正直説明がなくてもいいくらいだ。だが、特異と言われた上で線の中にあると言われても口では理解するのに時間がかかりそうだ。


前世でもそうだったが、俺は恥ずかしながら頭がそこまでいい訳ではなかったからな。

俺はミコトに同意して実際に自分の特異属性とやらを使ってみる事にした。


「やる前に注意事項じゃ。私が今から言う内容だけは最低限覚えておけ。」


ちなみに五行紋を使用するにあたり、覚えておけとミコトに言われた内容がこれだ。


1.五行紋は<炎➡水➡雷➡土➡風➡炎>の順で成り立っており五行紋が完成する。

2.五行紋は<炎➡水➡雷➡土➡風➡炎>の順で相性が成り立っている。

3.五行紋は精神エネルギーである魔力で成り立っている。

4.特異属性者は、相性が存在しない。

5.特異属性者は、とても稀な存在で異質な属性である。


だそうだ。


まぁ、特異属性者が稀な存在という点では、レアな存在として嬉しくもあるが、異質な属性ってのが引っ掛かる所だ。

まぁ、使ってみればすぐに分かる事だしな。


「よし、今私が言った事だけは最低限覚えておくのじゃ。」

「分かった。」

「では、五行紋の使用方法についてじゃな。」

「あ、あぁ。」


「お前の場合、紋様が目の中にある訳じゃから、自分の中に流れる魔力を意識し目に集中させる!体中に巡っている魔力が目に流れていくイメージじゃ。」


「ま、魔力を意識って言っても魔力がよく分からん。」


当たり前の事だが分かるはずもない。

いきなり魔力を感じろって言われても。

ミコトもそれくらいは分かっていると思ったんだが・・・。


「ふむ。目を閉じて落ち着いて身体全体に巡る魔力を感じるんじゃ。すでにお前は五行紋を得ているから魔力の流れが感覚で分かるはずじゃ。」

(では・・・。)


俺は一度大きく深呼吸をして目をゆっくり閉じた。

落ち着いて目を閉じていると、だんだんと自分の身体の中を温かい血液みたいなのが流れているのが分かる。これは魔力なのかは分からないがとても温かい。

そしてミコトに言われた通りにやると魔力が目に流れているのを感じる。

俺はゆっくりと目を開けた。


「おぉ!できたではないか!」

「ま、まじか。か、鏡!」


鏡を見て正直驚いた。

確かに目の奥に刻まれた五行紋に色が・・・。


「え?これって白色?」

「白色じゃな。」


(・・・・・・)


メチャクチャ期待して鏡を見た俺の五行紋の色が白だと。

いやいやいや。白色って何?

特異属性者ってミコトが言っていたが、特異属性者は白色なのか?

これはミコトに聞くしかない。

俺はすかさずミコトに聞こうと思い口を開いた。


「ミコト!これって・・・・」

「まぁ、落ち着け。言いたい事は分かっておる。」


さすがに察したか。というよりもこの状況や流れ的に言いたい事など一つしかないだろう。




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