第20話 王都へ
「す、凄い…。」
倒れたカイザードラゴンから生まれた超巨大な魔石を見て、『風格』から解放されたソフィアが呆然としていた。
「リュウトさん、やっぱり
俺が自分のスキルについてリアに説明すると、自分とパーティを組む意味が無いのではと言って来たが、俺はリア以外とパーティを組む気はないと伝えた。
「あ、ありがとうございます…。」
頬を少し赤く染めたリアは反則級に可愛かった。
「それにしても、ダンジョンの主を倒したのに宝箱とか出ないのか。」
「突発的に発生したダンジョンですからね。正規のダンジョンを攻略すれば珍しいアイテムがドロップしますよ。」
結構楽しみにしてたので少し残念だった。
「てか、なんか洞窟が崩れてきてないか?」
「主を倒したのでダンジョンが消滅し始めています。早く脱出しましょう。」
「もっと早く言ってくれよ!」
急いでダンジョンから抜け出した俺達は、ダンジョンの消滅を見届けてギルドへと帰還した。
「さて、無事に戻って来た訳ですが…。リュウトさん達にはギルドマスターに会ってもらいたんです。」
…面倒な事になるんじゃないかそれ。
「そんな嫌そうな顔しないで下さい。最近王都のギルドから帰って来たんですが、ブラックワイバーンを仕留めた低ランク冒険者が居ると聞いたら会いたいとしつこくて…。ダンジョンを攻略したんですからどちらにせよ会う事になってたと思いますよ。」
不本意だが、俺はギルドの1番奥にある執務室に通された。
「お、お前達がブラックワイバーンを仕留めたと言う…それに今回はダンジョン攻略に協力してくれたらしいな。私から礼を言おう。」
赤い短髪のボーイッシュな女性が嬉しそうに俺達に話しかけて来た。
「えーっと、俺はリュウトです。ダンジョンを攻略出来たのもたまたまと言うか…。」
「わ、わたしはリアです。ダンジョンでは特に何も出来なくて…。」
リアもドラゴン種一杯狩ってただろ。
「ハッ。たまたまでカイザードラゴンが倒せると思うのか?それよりも、お前達『漆黒の風』には王都のダンジョンに向かって欲しいんだが。」
「王都、ですか?」
「そうだ。王都の上級ダンジョン『光の神殿』へ入った冒険者の多くが消息を絶ってるんだ。調査へ向かわせた上級冒険者も帰って来ない。今回のダンジョン騒ぎを解決した君達なら問題無い筈だ。」
「俺達以外にも高ランクの冒険者が居るでしょう?」
「カイザードラゴンを倒せる冒険者なんてこの世界に数える程しか居ないと思うぞ。」
なん、だと。残念な事にギルドに目を付けられたくないと言う俺の願いはどうやら届きそうにないらしい。
「それと、お前達はA+ランクに昇格となる。パーティランクも同様だ。今回の依頼を私からの昇格試験と言う事にしておこう。因みにSランクに昇格するにはSランクの依頼を複数達成する必要があるからな。」
A+ランクに昇格しただけなら良かったんだが…。
「そうだ。ソフィアも一緒に王都に向かうと言い。彼らの専属受付嬢なんだろう?私も彼らの力を周りにひけらかすのは反対だからな。」
不幸中の幸いと言うか、ソフィアも一緒に着いてくると言う話を聞いて、王都行きを決める俺なのであった。
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