第12話 変魔自在


俺が『世界眼』で確認したリアのスキルは以下の通りである。


伝説級レジェンド 『変魔自在プロウティアン』 Lv1

魔力量上昇・特大、全属性魔法・特大、全属性耐性・特大、複合属性魔法・特大、魔力の可視化・特大、場の魔力操作・特大


上級アドバンス 『治癒魔法師』 Lv2

魔力量上昇・中、治癒魔法・中


…足を引っ張るとは一体何だったんだろうか。ソフィアの話からして伝説級レジェンドスキルと上級アドバンススキルを有していると言うのは明らかに普通ではない。レベルが上がれば1人でも充分上級冒険者を狙えるくらいの強さではないだろうか。


「あの…どうかしましたか?」


俺が『世界眼』を発動させてずっとリアを見つめていたので、リアは少し戸惑っているようだ。


「あぁ、えっと、リアは自分のスキルを把握してるのかな?」


「それが…わたしは今までスキルストーンに触れる機会が無かったので自分のスキルが何か分かってないんです。」


「スキルストーン?って何なの?」


「リュウトさんは、スキルストーンを使って自分のスキルを確認したんじゃ無いんですか?」


「いや、俺は鑑定系のスキルを持ってるから自分で自分のスキルを確認したんだよ。」


その後のリアの説明によると、スキルを確認する方法は主に2つあるらしく、1つは俺の様に鑑定系スキルで確認する方法。もう1つはスキルストーンと言う特殊な石に手をかざして自分のスキルを確認する方法になるらしい。だがそのスキルストーンは希少らしく、スキルストーンを置いているスキル確認専門の店があるそうだ。


「それで、わたしのスキルって一体何なんですか?」


当然の疑問だろう。ただ、周りの冒険者達にリアが伝説級レジェンドスキルを持っていると知られるのは良くないと判断し、2人で話をする為にギルドに併設されていたカフェスペースに席を取った。


「じゃあ、リアのスキルについてなんだけど、君はどうやら伝説級レジェンドスキルと上級アドバンススキルを1つずつ持ってるみたいだ。」


「えっ…ほ、ほんとですか?」


「あぁ。どうやら全ての属性の魔法を扱ったり、魔力を操作出来る伝説級レジェンドスキル『変魔自在プロウティアン』と上級アドバンススキルの『治癒魔法師』を持ってるみたいだけど…。心当たりは無い?」


「ええと、わたしは火属性と水属性の魔法は使えますけど、地属性と風属性の魔法は使おうとした事がなかったので…。治癒魔法も同じで使えたなんてびっくりです。」


リアに彼女の持つスキルを伝えた俺は、掲示板の前に戻って依頼について考える事にした。


「さて、俺はFランクの依頼を受けたいんだけどどうしようか…。」


「それなら、この依頼はどうですか?」


そう言ってリアが指差したのはFランクのゴブリン討伐依頼だった。


「魔物討伐系の依頼でわたしのスキルを試してみたいです。」


早く自分のスキルを試したいのは俺も同じである。他に目ぼしい依頼もなかったので、俺達は早速ゴブリン討伐の依頼を受ける事にした。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る