第11話 即席パーティ


ソフィアから一通り説明を受けた俺は、冒険者として初めての依頼を受けるべくギルド内の掲示板と睨み合っていた。現状の俺のランクではFランクまでの依頼しか受けられないのだ。


Aランクのイヴィルドラゴン討伐とか何これめっちゃ気になる…。そんな事を思いながらどの依頼を受けるか決めかねていた俺に、1人の少女が話しかけて来た。


「あの…あなたももしかしてGランク冒険者の方ですか?」


その少女の方を向いた瞬間、俺の心には衝撃が走った。歳は恐らく中学生くらい。銀髪のロングヘアが似合う正に天使の様な美少女がそこには立っていた。


「そうだけど、君は?」


「あ、え、えっと。突然話しかけてすみません。わたしは初めて依頼を受けに来たリアと言います。それで、初めての依頼は不安で、他の冒険者の方とパーティを組もうかと思っていたところで低ランクの依頼を見ているあなたが居たのでつい…。」


人見知りなのかぎこちなくそう話した彼女はリアと言うらしい。パーティを組む気はなかった俺だが、こんな美少女が相手となれば話は別だ。早速俺はリアに共同で依頼を受けようと提案する事にした。


「俺もまだ依頼を受けた事がなくて、Gランク冒険者のリュウトだ。君の言う通りF〜Gランクの依頼を見ながらどれを受けるか考えてたんだけど、良かったら一緒に依頼を受ける?」


「は、はい!わたしなんかで良ければ…。あ、でも、わたし、魔物と戦った事とか一度も無くて、リュウトさんの足を引っ張ってしまうかも知れないんですが…。」


そう不安げに話すリア。


「俺も魔物と戦った事なんて無いし、低ランクの依頼なんだから大丈夫だよ。」


そう答えた俺はひとまずリアのスキルを確認してみようとこっそりリアに『世界眼』を向けたのだが、目に飛び込んで来た情報に再び衝撃を受ける事となる。

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