セクシーアイドル

シカンタザ(AI使用)

セクシーアイドル

私は目の前にいる男性(自称・お笑い芸人)によって催眠術をかけられ、なぜか今はセクシーアイドルをやらされている。意味不明すぎて理解不能である。

「じゃあ嵐子ちゃん、これから君にセクシーポーズをとってもらいます」

「セクシーポーズ?」

「まずは右足を大きく上げて――」

「あーっ!!もういい加減にしてくださいよっ!!」

私は叫んだ。

「私のことを勝手に変な風にしないでくださいっ!!」

「いや、だから誤解だってば……」

「私はセクシーアイドルなんか興味ありませんっ!!」

「そう言われてもねぇ……」

「というか、そもそも私には好きな人がいるんでそういうのは結構ですっ!!」

「え? マジで?」

「はい、大マジですよ」

「誰々? 俺が知ってる奴?」

「えっ? あぁ~……まぁ、一応は」

「ふぅん、そっか」

「ちなみに、私に催眠術をかけた人は誰なんですか?」

「それは秘密だよ」

「そうですか」

「うん」

「……」

「……」

「あの、質問してもいいですか?」

「どうぞどうぞ」

「どうして私がこんな目に遭わなくちゃいけないんでしょうか?」

「それはだね、君がとても可愛いからさ」

「はい?どういうことですか?」

「君のことが好きだからさ」

「えっ? 私を好き?……そうだったんですか」

「そうだよ。一目惚れだったんだ」

「そうだったんですか……えへへ」

「ああ、その笑顔も素敵だ」

「ありがとうございます!……って、そんなこと言われて喜ぶと思ってるんですか!?」

「いや、でも今の君はすごく嬉しそうな顔をしているじゃないか」

「それは……確かに嬉しいかもですけど」

「ほら、やっぱり喜んでくれているじゃない」

「うぐっ……」

「ところで嵐子ちゃん、実は僕と付き合って欲しいんだけど」

「無理ですね」

「即答!?」

「はい、無理です」

「どうしてだい?僕のどこが気に入らないっていうのかな?」

「全部ですね」

「全否定!?」

「当たり前でしょう。あなたみたいな変態とは絶対にお付き合いできません」

「僕はただ、嵐子ちゃんのことを愛しているだけなのに……」

「それがダメだって言ってるんですよ!」

「むぅ……しょうがないなぁ」

「やっとわかってくれましたか」

「わかったよ。じゃあせめて一緒に写真を撮らせてくれないかい?」

「写真ですか?」

「ああ、記念撮影だ」

「それなら別に構いませんけど……」

「本当かい!? ありがとう、じゃあ早速撮りましょう!!」

「はい」

パシャッ。

「よし、良い感じに撮れたよ」

「見せてください」

「これだ」

「どれどれ……えっ?」

そこには、セクシーポーズをとっている私の姿があった。

「ちょっ、ちょっと待ってください!!何ですかこれは!?」

「見ての通りだけど?」

「見てのとおりって……。というか、いつの間にこんなものを撮ったんですか!?」

「ちょっと前にスマホで撮影したんだよ」

「はあっ!?」

「まあまあ、細かいことは気にしないで」

「細かくないですよ!!全然細かくないですよ!!」

「大丈夫、きっとすぐに慣れるから」

「いや、絶対に慣れたくないです!!」

「とりあえずこの画像をSNSにアップするからね」

「はいっ!?」

「拡散希望っと……」

『フォロワーが5万突破しました』

「うわっ、すごい数のリツイートだなぁ……」

「嘘でしょ!?」

「いや、マジだよ」

「信じらんない……」

「ちなみに、もう1枚あるんだけど」

「もう見たくありません!!」

「まあ、そう言わずにさ。ほら」

「見たくありませんってば!!」

「はい、これが2枚目だよ」

「もういい加減にしてください!!」

「おっ、6万人目のフォロワーさんが来たみたいだ」

「もう嫌だ……」

「それでは、嵐子ちゃんにセクシーポーズをとってもらいます」

「……はい?」

「まずは右足を大きく上げて――」

「あーっ!!もういい加減にしてくださいよっ!!」

さかのぼること3日前。私は今、自称・お笑い芸人の男性と一緒にリビングに座っている。彼は先ほどまで私が座っていたソファーに腰掛けており、彼の隣には私が座っている。そして、テーブルの上には彼のスマートフォンが置かれている。昨日の出来事の後、私は彼に無理やり連絡先の交換を迫られた。しかし、私はまだ彼を完全に信用したわけではないため、その要求を断った。すると、彼はこう言ったのだ。

「わかったよ。じゃあせめて一緒に写真を撮らせてくれないかい?」

曰く、君と一緒の写真さえあれば他の人に催眠術をかけることができる。正直に言うと半信半疑だったが、それでも一応、写真を撮ることだけは了承することにした。その後、私たちは近くの公園へと移動し、そこで写真を撮った。それから、私たちは家に帰ることにしたのだが、途中で彼が私のことを抱きしめてきた。突然のことに驚いたものの、抵抗しようとは思わなかった。なぜだろう?よくわからないけれど、このまま流されてもいいかなと思った。そうした後彼の家に着いた。彼は一体どういうつもりなんだろうか? 私が不思議そうな顔を浮かべていると、男性が話しかけてきた。

「ところでさ、嵐子ちゃんはセクシーポーズに興味はある?」

一瞬、何を言っているのか理解できなかったが、しばらくして意味を理解した。……セクシーポーズ? セクシーポーズって、あのセクシーポーズのこと? セクシーポーズに興味があるかだって?……ふざけんな。そんなものに興味を持つわけがないだろう。

私が無言のまま立ち去ろうとすると、腕を掴まれた。私は振り返り、彼を睨みつけた。

だが、次の瞬間、なぜか私の中にセクシーポーズに対する興味が芽生えていた。……どうして? 必死になって考えようとしたが、全く思い浮かばなかった。どうしよう……。この時、私は自称・お笑い芸人に催眠術をかけられていた。結局、セクシーポーズを撮ることになった。

こうして現在に至る。私の隣にいる男性は、こちらに向かってカメラを構えている。

「はいチーズ」

……パシャッ。

「うんうん、すごく良い写真が取れたよ」

「そうですか……」

「嵐子ちゃんも見たいかい?」

「いえ、結構です」

「遠慮しなくていいのに」

「してませんから」

「そうか。じゃあ次はもっと過激な服装をしてくれないかい?」

「過激って……」

「例えばそうだな……裸とか」

「はあっ!?」

「ああ、もちろん下着姿でも構わないよ」

「な、何言ってるんですか!?」

「え?だって君は露出度の高い服が好きなんだろ?」

「そ、それは……」

「違ったかい?」

「……違いません」

「だよね」

「でも、どうしてわかったんですか?」

「そりゃあわかるさ。だって僕は君のことが好きだからね」

「えっ?」

「だから、君のことなら何でも知ってるんだ」

「……」

「まあ、それは冗談として、実は僕、そういう系の雑誌の編集者をやっててね。それで、いろんな女性を見てきているんだよ。で、その中で君みたいなタイプの女性が露出度が高い服を着てることが多かったってだけだよ」

「……そうだったんですか」

「そういえば、嵐子ちゃんって意外とおっぱいでかかったね」

「ぶっ!?」

「おや、どうかしたの?」

「い、いきなりなんてこと言うんですか!?」

「いや、別に隠すようなことでもないでしょ」

「普通は隠しますよ!!」

「そうなのかい? 僕は気にしないけどなぁ」

「気にしてください!!」

「わかったよ。じゃあ、とりあえずこの服を着てくれないか?」

「わかりました……」

数分後、私は用意された服に着替えた。

「はい、これでいいですか?」

「おおっ、いいじゃないか。セクシーだよ」

「ありがとうございます」

「じゃあ、今度はもっと過激な感じでお願いします」

「まだやるんですか!?」

「当然さ」

「はあ……」

「さあ、早く」

「はいはい……」

「さあ、次はどんな格好をしましょうかね」

「もうなんでもいいですよ……」

「そう言われても困るな。まあ、いいや。とりあえず脱いでくれ」

「はい?」

「だから、服を脱ぐの」

「どうしてですか?」

「いや、嵐子ちゃんはセクシーポーズを撮りたいんでしょう?」

「そうですけど……」

「だったら、実際にやってみたほうがわかりやすいじゃない?」

「いや、まあその通りなんですけど……」

「それにほら、嵐子ちゃんってスタイルいいじゃん。きっとモデルさんみたいになれるよ。保証する」

「……わかりました。そこまで言うのであれば仕方ありません。やりますよ。ただし、本当に恥ずかしいんで、あんまり見ないでくださいよ」

「わかってますよ。ほら、こっちを向いて」

「はい、じゃあ撮りますよ。3,2,1――」

カシャッ。……パシャッ。

「はい、終わりましたよ。満足しましたか?」

「うーん、なんか違う気がするんだよねぇ。嵐子ちゃんに聞いてみようかな」

「え?何をですか?」

「セクシーポーズについて」

「はあ……」

「嵐子ちゃん、ちょっと立ってみて」

「こうですか?」

「そうそう。じゃあさ、そのまま片足を上げてくれないかな?」

「こうですか?」

「そうそう。うん、いいよ。じゃあ、今度は両足上げてみてくれるかい?」

「こうですね」

「うんうん、すごく良い写真が撮れたよ」

「そうですか……」

「嵐子ちゃんも見たいかい?」

「いえ、結構です」

「遠慮しなくていいのに」

「してませんから」

「そうか。じゃあ、最後に一枚撮ろうか」

「最後って……まだあるんですか?」

「当たり前だよ。さあ、早く」

「はい、わかりました……」

……カシャッ。

「よし、これで終了だね」

「やっと終わった……」

「嵐子ちゃんも疲れちゃった?」

「そりゃあ、あんなことを何度もさせられたんですから疲れますよ」

「そうか。でも、楽しかっただろう?」

「……まあ、少しは」

「なら良かった。じゃあ、僕は帰るよ」

「はい。それではまた」

「ああ、また会おう」

「えっ?あの……どこに行かれるんですか?」

「もちろん君の家さ」

「どうして私の家に?」

「だって君と別れたら僕は行くところがないからね。そうだな……。しばらくの間は君の家で暮らせばいいかなって思ったんだ」

「えっ!?」

「嫌だったかい?」

「いえ、そういうわけではありませんけど……」

「なら問題ないだろう? さあ、行こうか」

「……わかりました」

こうして、私は彼と一緒に暮らすことになった。

その日の夜。

「嵐子ちゃん、起きてる?」

「はい、なんでしょうか?」

「今日はいろいろあって疲れただろ? マッサージをしてあげようと思って」

「本当ですか? ありがとうございます」

「じゃあ、うつ伏せになってくれるかい?」

「わかりました」

「よし、じゃあ始めるよ」

彼は私の背中を指圧し始めた。

「どうだい?」

「気持ちいいですよ」

「それはよかった。実は僕って昔はマッサージ師のバイトをしてたことがあったんだ。それで、いろんな人の体を揉んでいたんだ」

「そうなんですね……」

「ちなみに僕の特技は手相を見ることなんだ」

「へぇ~、すごいですね」

「だからさ、今度一緒に占いに行ってみないかい?」

「いいですよ。楽しみにしてます」

「じゃあ、次は腰の辺りを中心にやっていくよ」

「お願いします」

その後、私は彼に全身を揉まれて、とてもリラックスした気分になった。

次の日の朝。

「嵐子ちゃん、朝だよ。そろそろ起きる時間だ」

「んぅ……」

彼が優しく起こしてくれたおかげで、私は目を覚ますことができた。

「おはようございます……」

「よく眠れたかい?」

「はい……」

「それは良かった。ところで、今日の予定は何かあったりするのかな?」

「特にありません」

「そうか。じゃあ、朝食を食べたら散歩に出掛けないか?」

「いいですよ」

私たちは着替えを済ませてからリビングに向かった。

「いただきます」

「いただきます……」

……モグモグ。

「うん、美味しいね」

「はい、おいしいです」

「昨日作ったカレーの残りだけどね」

「確かにそうですね」

私たちが食事を終えると、彼は言った。

「じゃあ、早速出かける準備をしましょうかね」

「はい」

……ガサガサ。ゴソッ。

「よし、できた。嵐子ちゃんも支度ができたみたいだし、行きましょうか」

「はい!」

私たちは玄関を出て、アパートの敷地内にある公園へと向かった。

「この辺でいいかな」

「そうですね」

「じゃあ、嵐子ちゃん。ちょっと待っててくれるかな?」

「はい」

しばらくして、彼が戻ってきた。

「お待たせ。じゃあ、始めようか」

「はい」

「まずは軽くストレッチからしよう」

「わかりました」

私は彼と軽い運動を始めた。

しばらくすると、体が温まってきた。

「じゃあ、これからマッサージを始めていくよ」

「はい……」

彼の手が私の体に触れてきた。「痛くはないかい?」

「大丈夫です」

「じゃあ続けるね」

……ぐっ!

「あっ……」

「ここが凝っているようだから重点的にやっていこうと思うんだけどどうかな?」

「はい、そこすごく気持ちいいです……」

その後も彼は丹念に私の体をほぐしていった。そして、最後に彼は私にこう尋ねた。

「さて、これで終わりだね。嵐子ちゃん、感想を教えてくれるかな?」

「はい。とても気持ちよかったです」

「良かった。それじゃあ帰ろうか」

「はい……」

私たちは家に帰ることにした。

その日の夜。私はベッドの中で考えていた。

(まさかこんなことになるなんて……。でも、意外といい人かも)

そんなことを考えているうちに、いつの間にか眠りに落ちていた。それから数日の間、彼は毎日のように私の家に遊びに来てくれた。

「いらっしゃい、先生」

「ああ、来たよ」

「今日は何をするんですか?」

「そうだな……。それじゃあ、手相を見てあげようか」

「本当ですか? 嬉しいです」

私は彼に手を握られて、ドキドキしていた。

「じゃあ、見るからじっとしていてね……」

「はい……」

……じーっ。

「ふむ……。なるほど……」

「どうですか?」

「君は恋愛運が良さそうな気がするね」

「そうなんですか?」

「うん。きっと、好きな人とはうまくいくんじゃないかな」

「そうかもしれませんね」

「ところで、君には恋人とかいるのかい?」

「いえ、そういう人はいません」

「そうなのか……残念。もしいたら、僕のマッサージを受けてもらってアドバイスしてあげられたかもしれないのに……」

「そうなんですね……」

「よし、じゃあ次は肩を揉んであげよう」

「ありがとうございます」

「うわぁ、すごい凝ってるね……」

「はい……」

「これは大変だ……。じゃあ始めるよ」

……ぐいっ!

「んぅ……」

「どうだい?」

「気持ちいいです……」

「それは良かった。じゃあ、このまま続けてあげるからリラックスしていてくれ」

こうして、私はしばらくの間、彼にマッサージをしてもらった。

私はこうする日々の中で不安な気持ちがあった。私たちはお互いのことをよく知らないし、彼がどんな人物かもよくわからなかったからだ。しかし、私は彼のことを信用することにした。彼と一緒に過ごす時間は楽しくて、心が安まるものだったから。

ある日のこと。私が部屋で一人でテレビを見ていると、彼がやって来た。ドアを開ける音に続いて、部屋の扉を閉める音が聞こえた。私はすぐに彼の方を見た。彼はいつものように微笑んでいた。私は彼を部屋に招き入れてから言った。

「こんにちは、先生」

「やあ、嵐子ちゃん。元気だったかな?」

「はい」

「それは良かった。それで、何か面白い番組をやっていたりするのかな?」

「今はニュースをやっています」

「へぇ、そうなんだ」

私たちはしばらく黙っていた。すると、彼は言った。

「嵐子ちゃん。実は僕たち、最近会っていないよね?」

「そうですね」

「だからさ、久しぶりに二人でどこかに出掛けないかい?」

「いいですよ」

「じゃあ、決まりだ。どこに行くかは後で決めよう」

「はい!」

私たちは予定を決め終えると、再び黙り込んだ。しばらくして、彼が口を開いた。

「嵐子ちゃん。そういえば、君は猫を飼ってるんだってね?」

「はい、飼ってますよ」

「今度見せてくれないかな?」

「いいですよ」

「楽しみにしているよ」

「私も先生が猫を見るのを楽しみにしておきますね」

「うん。ところで、嵐子ちゃん。今日はセクシーショットを撮ろうよ」

「あぁ……」

そうだ、私はセクシーアイドルをやらされているんだった。最近は活動を控えてきたけど。

「わかりました……」

「じゃあ、早速始めようか」

……カシャッ! パシャッ! パシャッ!

「いい感じだよ」

「ありがとうございます……」

それからしばらくして、撮影が一段落した。

「お疲れ様。嵐子ちゃん」

「はい……」

「それじゃあ、今日のところはこれくらいにしておくよ」

「はい……」

「それじゃあ、僕はそろそろ帰るね」

「あの……」

私は思わず呼び止めてしまった。そして、こう尋ねた。

「先生。また、会いに来てくれるんですよね?」

「もちろんだとも。だって、君とはこれからずっと一緒にいるつもりなんだからね」

「えっ……!?」

「じゃあね」

……バタン。

私はベッドの上に寝転んで考えた。

(どういうことだろう……。つまり、先生は私の恋人になるつもりでいるということなのかな?)

私は今まで男性とお付き合いをしたことがなかった。だから、こういう状況になった時、一体どうすれば良いのかよくわからないのだ。

(でも……。せっかくだし頑張ってみよう)

私は勇気を出して彼に電話をしてみた。

「もしもし……」

「あっ、嵐子ちゃん。どうしたんだい?」

「あの……。明日は暇ですか?」

「うん」

「それなら、デートしましょう」

「わかった。どこに行こうか?」

「水族館に行きたいです」

「よし、じゃあ明日の朝10時に駅で待ち合わせしようか」

「はい」

私は彼との約束を取り付けることに成功した。次の日になり、私は駅へと向かった。そこには既に彼の姿があった。彼は私に気付くと、微笑んで手を振った。

「おはよう、嵐子ちゃん」

「おはようございます」

「じゃあ、行こっか」

「はい」

私たちは電車に乗って移動を始めた。その間、私たちの間に会話はなかった。やがて、目的地である水族館に到着した。そこで私たちは様々な魚を見て回った。……1時間後。

「楽しかったね」

「そうですね」

「嵐子ちゃんはどんな生き物が好きなんだい?」

「私はサメが好きです」

「そうなんだ。どうして好きなのかな?」

「理由はよくわかりません。ただ、何だかカッコ良く見えてしまうんです」

「なるほどね」

「先生はどんな動物が好きなんですか?」

「僕はイルカかな。」

「へぇ、そうなんですね」

デートが終わってしばらくすると、私は今話題のセクシーアイドルとしてある民放全国地上波の深夜テレビ番組に出ることになった。この番組では、私の私生活についての質問に答えるコーナーがあった。まず最初に、司会の女性アナウンサーからこんなことを聞かれた。

「嵐子さんは猫を飼っていらっしゃるそうですね?」

「はい」

「嵐子さんのご自宅にはたくさんの種類の猫がいるということですが、どのような猫を飼われているのでしょうか?」

「たくさんいます。例えば……」

「たとえば?」

「三毛猫やシャム猫、黒猫などですね」

「へぇ、そうなんですか。ちなみに、嵐子さんはどの子がお気に入りなんですか?」

「みんな可愛いですよ」

「あら、そうでしたか。嵐子さんは本当に猫がお好きですね」

「はい」

それから、番組の進行に沿って色々な質問に答えていった。最後に、番組の締めとなる一言を言う場面が訪れた。

「嵐子さん。本日はありがとうございました」

「こちらこそありがとうございました」

「それでは、次回もよろしくお願いしますね」

「はい、また呼んでいただけると嬉しいです」

こうして番組は終わった。番組が終わったあと、私はテレビ局を出て家に帰った。すると、彼が出迎えてくれた。

「おかえりなさい」

「ただいま帰りました」

「どうだった? 今回の収録は上手くいったかな?」

「はい、バッチリでしたよ」

「それは良かった」

「それじゃあ、僕は仕事に戻るよ」

「はい。頑張ってください」

彼は部屋に戻って行った。私もその日の夜、自分の部屋に戻った。そして、一人になって考えた。

(これから一体どうなっちゃうんだろう……)

そんなことを考えながら眠りについた。

翌日。私は彼とファミレスで食事が取った後、彼は私に向かってこう言った。

「今日は写真を撮った後どこかに出掛けようか?」

「はい、いいですよ」

「じゃあ、早速準備しよっか」

「わかりました」

……カシャッ! パシャッ!

「いい感じだよ」

「ありがとうございます」

それからしばらくして、私たちは水族館に向かうことにした。目的地に到着すると、私たちはまずクラゲを見た。その後、熱帯魚の水槽を見て回った。そして、ペンギンのコーナーへとやってきた。そこでは子供たちがペンギンたちと触れ合っていた。その光景を見ながら、私は彼にこう尋ねた。

「先生は子供の頃、ペンギンになりたかったんですよね?」

「そうだね」

「どうしてですか?」

「だってさ……。もし僕がペンギンになったとしたら、毎日のように餌をもらえるじゃないか」

「なっ……。先生って結構腹黒い人だったんですね……」

「まぁ、そういうことだね」

私たちはその後も館内を回り続けた。やがて、夕方になった。

「そろそろ帰ろうか」

「はい」

家に帰った後もセクシーショットを撮った。

「ふぅ……。今日の撮影はこれくらいにしておこうか」

「はい……」

「疲れた?」

「いえ、大丈夫です」

「それじゃあ、明日も頑張ろうか」

「はい、わかりました」

私は次の日の撮影に備えて早めに就寝することにした。ベッドに横になると、私は彼に電話をした。

「もしもし……」

「あっ、嵐子ちゃん。どうしたんだい?」

「あの……」

私は勇気を出して彼にこんなことを尋ねてみた。

「先生。明日も会いに来てくれるんですよよね?」

「もちろんだとも。だって、君とはずっと一緒にいるつもりなんだからね」

「あっ……」

「じゃあね」

翌日、私は彼に気持ちを聞いてみることにした。

「先生は私のことをどう思っているんですか?」

「好きだよ」

「えっ!?」

「冗談じゃないよ」

「そうですか」

「君は僕のことが嫌いかな?」

「好きです」

「よかった」

「でも、どうして私のことが好きなんですか?」

「そりゃあ、君のことが好きだからだよ」

「そうなんですね」

「嵐子ちゃんはどうして好きなんだい?」

「わかりません」

「わからない?」

「はい。自分でもよくわかってないんです」

「そうだったのか。ところで、嵐子ちゃんの好きな食べ物は何だい?」

「ハンバーグです」

「へぇ、そうなんだ。じゃあ、今度一緒に食べに行こうよ」

「はい」

「それじゃあ、また明日ね」

「はい」

私は家に帰ってすぐ眠りについた。

翌朝。私は彼と一緒に朝食を食べるためにリビングに向かった。すると、そこには彼の姿があった。

「おはよう、嵐子ちゃん」

「おはようございます」

「昨日はよく眠れたかい?」

「はい、ぐっすりと眠ることができました」

「それは良かった」

「先生はどうでした?」

「よく寝られたと思う」

「それは良かったですね」

それから私たちは食事を済ませたあと、撮影場所へと向かった。

「それじゃあ、始めようか」

「はい」

「嵐子ちゃん。今日もセクシーな写真を撮影するからね」

「わかりました」

「それじゃあ、まずは下着姿でソファーに座ってみて」

私は言われた通りにした。すると、彼はカメラを持って私に近づいてきた。

「もっと近くに寄ってもいいよ」

「はい」

「じゃあ、そのまま動かないでね」

彼はシャッターを押し始めた。カシャッ! パシャッ!カシャッ! カシャッ! カシャッ! カシャッ! カシャッ! カシャッ! カシャッ! カシャッ! カシャッ! カシャッ! カシャッ!

「今日はいい写真が撮れたぞ」

今日撮った写真はネットで反響を呼び私がブレイクするきっかけとなった。それからの私は様々なメディアで出演依頼が舞い込み、売れっ子となっていった。自称・お笑い芸人の彼はテレビ局の構成作家となり私と結婚した。私たちは幸せに暮らしていたが、ある日、彼が交通事故に遭って亡くなってしまった。私は悲しみに打ちひしがれていた。そんな時、一人の男性が現れた。その人はテレビのプロデューサーで、ある企画を持ち込んできた。それがセクシー写真集の撮影だ。最初は嫌がっていたけど、お金のために引き受けることにした。そして、私は人気女優となった。しかし、私は心の底では喜べなかった。なぜなら、私の本当の姿を誰も知らないからだ。本当の私は地味だし、ブスだ。だけど、みんなは私のことを褒めてくれる。本当は違うんだけどな……。でも、これでいいんだ。だって、今の私はセクシー女優の嵐子なんだから。……カシャッ! パシャッ! カシャッ! カシャッ! カシャッ! カシャッ! カシャッ! カシャッ!

伝説のセクシーアイドル復活という触れ込みでその写真集は売れた。のちに私は写真集の撮影を持ち込んできたプロデューサーと結婚することになった。月日が流れ、プロデューサーとの子供が女子高生となった。彼女は私のようにセクシーアイドルになりたいと言い出した。それを聞いて、私はあの自称・お笑い芸人の彼のことを思い出す。そういえば、彼がお笑い芸人としてネタを披露しているところ見たことないなあって今更考えたのだった。

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セクシーアイドル シカンタザ(AI使用) @shikantaza

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