美鈴編3
昨日の気まずさが残ってる分、何か言わなきゃと思うが、言葉が全然出てこない。
「優季今バド部終わったの?」
「お、おう。今終わったとこだ。美鈴もか?」
「そうだよー。あ、だったらまた駅まで送ってよ!電車ギリギリなんだ!」
「またかよ!自分で走れよ!」
「部活で疲れた女の子にそんなこと言う男いる!?普通かわいい女の子相手だったら送らせてくださいって男が言うのよ!」
「…お疲れさまでしたー。」
「あ、待って!本当にお願いだって!」
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結局送る羽目になってしまった。まじでこいつ俺のことなめてるな。
今日は昨日とは違って後ろで機嫌がいい様子でいろいろ話しかけてくる。
「優季彼女いないのー?」
「いないぞ。つーかお前俺が綾香にフラれたこともしってるだろ。」
「あはは。知ってる。顔の好みでフラれたやつでしょ!うける!」
「うん。降りろ。」
「ちょっごめん!でも私は優季の顔いいと思うよ。」
「はいでた。お世辞。」
「お世辞じゃないよー!真っ赤なうそだよー!」
うん。降ろすこと決定。
そう思って急ブレーキかけると、
「きゃっ!」
美鈴がふいに抱きついてきて、俺が逆にドキドキするはめに。
「ちょっとー!!今の危なかったから罰ゲームで明日も送ってよね!」
「勝手に決めるなよ!」
とかなんとか言い合いながらいつのまにか駅に着いた。
「優季ありがとう。明日もだからね!」
とだけ伝えて電車で走っていった。
ってかなんでまた明日も送らないといけないんだよ。
あの自由人め。
とか言いながら駅から家に帰るときは、部活終わりにあったイライラやもやもやは消えていた。
家に帰ると知らないメアドからメールが届いていた。
「美鈴です😊今日はありがとう😘綾香からメアド教えてもらったよ☺️」
綾香め。勝手に人のメアド教えるなよ。
「へい。」
「ちょっ短すぎじゃない😡」
「?」
「ありえないんだけど…明日は7時に校門前ね😊よろしくー😊」
これでも懲りないとは…
しばらく続いたメールは俺の寝落ちで終わった。
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「昨日美鈴から優季のメアド教えてほしいって来たから教えてあげたわよ!感謝しなさい!」
朝イチから綾香が偉そうに話しかけてきた。
「なんで勝手に教えるんだよ。むしろ怒ってるんだが。」
「美鈴って人気あるのよ!普通喜ぶとこじゃない!?」
「…メール疲れるんだよ。」
「へー。ならそういうことにしてあげるわ。」
「なんだよ!それ!」
「ほら噂をすれば美鈴が来たわよ。」
ウインクしていなくなる綾香。あいつなめてるな。
「優季、もうちょっと優しいメール返してくれてもよくない?」
「俺メール苦手なんだよ。」
「なら電話ならいいよね。」
「電話代がかかる。」
「なら直接よ!!今日はファミレスに付き合って!」
「今日は送るだけの約束です。」
「むかつくー!なら明日!明日はむかついたからファミレスに行くこと!」
「美鈴。お前わがままだな。わがままはモテないぞ。」
「モテない優季に言われたくない!!」
うん。たしかに。俺もそう思った。
その日の放課後。
約束だから気が進まないが、校門に向かった。
時間ぴったりだったが美鈴が先に待っていた。
「みす…」
と名前を呼ぼうとした時、
美鈴は有馬先輩と話をしていた。
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