第44話 金色の希望

 大量のフライングトルーパーに拠点に強襲してから数時間が経っていた。自分たちを狙っていることはわかっていた翼のレジスタンスの剣士たちは散開し、確固で敵の撃破に当たった。その数は1人あたり5~6体。


「不知火さん…俺がいることをわかっていながら…!」

 

 そう言いながらコンドルも追っ手を1人、また1人と切り倒すがフライングトルーパーは次々と襲い掛かってくる。


「俺は、何のために…くそっ!」

『お前さんもよ…本当は世の中おかしいってわかってたんじゃねえのか?』

「立川…お前の言う通りかもな!」


 反逆の疾風剣、烈風剣を天に掲げ敵と迷いを切り落とそうとした。ただ、何人出てくるかわからないフライングトルーパーを相手にこのままではジリ貧である。


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「くそ!烏丸の見た目しちゃってさあ!」


 烏丸のクローンの相手にする辛さを滲ませつつホークは炎凰剣を振るった。


「炎凰剣!ファイアープロミネンス!」


 フライングトルーパー達はうまくこれをかわした。そのうちの1体がホークに斬りかかった。


「もう…だめか!」

「月光剣!」

「ぐおおおお!」


 横からとびかかったクロウがフライングトルーパーを1体倒した。足元で倒れる自分とほぼ同じ姿の何かを見たとき、クロウは肩で息をしていた。ただそこからすぐ、敵陣に斬りかかった。まるで死に急いでいるかのように。


「待て!一人で突っ込むなよ!」


 クロウを止めるかのようにともに斬りかかった。


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 オウルも、スワンもジリ貧の戦いを繰り広げていた。拠点も、帰らぬバードマンたちに通信を送り続けていた。


「こちら陽太、みんなどこ行ったんだ!鷲尾さん!白鳥さん!雷太さん!灯夜!…近藤さん!」

『すみません、陽太君。敵襲から逃れるのに必死で…。』

「白鳥さん?」

『こちら雷太。俺も同じ状況だ。高電磁フィールドもすっかり弱まっている。長期戦になった今、俺たちはかなり不利だ。だが…最後まであがいて見せる!』

「おい!お前ら!一旦一か所に固まれ!まずは合流しろ!」

『立川ですか?さっきも言ったとおりですよ。全員距離が離れてるんです。


 コンドル、ホークからは通信もなかった。諦めない心を保ちながらも最悪な状況の覚悟が全員の頭を駆け巡っていた、その時だった。


ビュン!ズバッ!


 空気を切り裂くような音が突然聞こえた。そして彼らの眼前には金色の光が駆け抜けた。その光が駆け抜けた後に次々とフライングトルーパーは爆散していった。


「なんなんだ、一体…。」


 オウルは絶句した。


「わかりません…。ただ目にもとまらぬ速さであのフライングトルーパーを倒したのは事実です。」


 スワンも衝撃のあまり微動だにできなかった。金色の光はやがて空に向かった。夜の電灯に集まる蛾のように残ったフライングトルーパーもそこに集まっていった。


「いったい何が起こるっていうんだ…。まさか?」


 コンドルは光の正体に感づいた。


「あれは…金色のバードマン?」

「…。」


 ホークは見たこともない金色のバードマンに驚き、クロウは黙って状況を見つめることしかできなかった。


「ゴルド!シャアアアアアアアアアアアアアアアアアアイン!」


 光を全方位に放ち、群がったフライングトルーパーをすべて塵にした。


「はあ…はあ…。」


 金色のバードマンは体力を相当消耗しているようだった。最後の一絞りと言わんばかりに剣を空に掲げた。


「まさか…。」

「あれは…。」

「やっぱり…。」

「戻ってきたのか…。」

「やってくれたぜ…。」

「…。」


 それぞれの場所で仲間が見守る中、金色のバードマンは高らかに名乗りを上げた。


「太陽剣士、イーグル!」







 

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太陽剣士イーグル しげた じゅんいち @math4718

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