第4話
「二人のなりそめはそんな感じだったのねー」
サクヤがアイスカフェオレを飲みながら言う。
「そうだぜ? 俺達はラブラブカップルって奴だよ」
「……なんかムカつくわ。あたしだってタケルとデートしたことあるもん!」
「…たまたま一緒に下校しただけだろ?」
「あははっ! それで、いつ結婚するの?」
「まだ早いんじゃないか? 俺達はまだ学生だし……」
真紅郎は苦笑いしながら答える。
「でも、結婚式には呼んでよね? 絶対に行くから」
サクヤ、珍しく結婚式に食い付くな。
早婚願望でもあるのかな。
「……真紅郎はどう思う?」
「何年先の話だよ?」
「それもそうか」
皆で笑った。
「じゃあさ、今度みんなで遊園地行こうよ! ちょうど割引券貰ったからさ」
「いいじゃん、行こっか」
「うん、行きたい!」
「僕もいいかな」
真紅郎は少し照れくさそうに答えた。
その後『ラ・ペディス』の店長に友達と遊園地に行きたいのでシフトを変えてもらうよう頼み、快諾。来週日曜に行くことになった。
事務所のテレビでは防犯カメラに映った覆面の二人組が地方都市のショッピングモールかどこかで手当り次第に銃を乱射し、片手で人間の頭を掴んでなにかに叩き付け、爆弾か手榴弾かなにかで建物を吹き飛ばしていた。
背格好から美雪さんのご両親だと分かり、安心するとともに少し恐怖した。
まあ、美雪さんとその事でTelegramの暗号化チャットで盛り上がれたからいいんだけど。
こんな日々が続けばいいな。
そう思っていたのだが…。
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