第30話 帰って来るって約束したのに

「バスに間に合わない!!」


学校に用事があって

バスに乗ろうと必死で走っていた


「あーあ。次20分後か……」


間に合わなかったバスを待ち

「今日遅れます」と連絡を入れた

座る場所もない停留所で20分も待つのは苦痛だった


「間に合うと思ってたのになぁ」


用事はあったけれど学業に支障は無く

でも何となく学校には行きたくなかった


「やっとバスが来た」


予定より10分遅れて学校に到着した時

自分のスマホに電話が入った


「誰?」


相手は元祖母だった


「もしもし?何?」


電話口には元祖母のすすり泣く声があった


「あのね……

「え?」

「お父さん

「は?」

「だから早くこっち《実家》に帰ってきて」

「今、学校だし……すぐは無理」


その後のことはよく覚えてない


父親が死んだ

自殺した

何で?何で今?


したのに


その時の自分は

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