アルコールと家族
第21話 飲酒
父親は元々お酒が強い方ではなかったが
焼酎をロックで呑むようになった
焼酎の呑み方の中に『ロックで呑む』って言うのは
お酒の呑み方的には有りらしいけれど
その飲酒量が格段に増えた
いつもいつも焼酎の匂いがして
それが父親の匂いだって思ってた
当たり前だと思ってた
父親が仕事から帰るとすぐに寝に入るから
何もおかしいことがあったことは
『あの頃』まで無かったんだ
帰宅のメールや電話が我が家ではルールだった
特段、門限というものは無いが
何故かルールになっていた
例えば
「〇時に帰ってくる。外でご飯食べて来たから、家では食べない」とか
「×時って行ったんだけど遅延してて遅くなる」とか
そんな感じ
父親から連絡が無くて
母親がどれだけ連絡しても繋がなくて
会社にも電話をした
「旦那ってまだ会社にいますか?」
「残業して帰ったはずですが……」
「そうですか……実はまだ帰ってないんです」
「え?それはおかしいな……」
「旦那の携帯にまた電話してみます。ありがとうございました」
何回かけても繋がる日もあれば繋がらない日もあった
夜中近くに帰ってくる時も多くなった
いつもするお酒の匂いは
服のせいだと思ってた
どう頑張って選択しても、いつもいつもお酒の匂い
家に帰って焼酎を呑んで酔っ払って多弁になって
いつもいつも同じ話を聞かされてた
ずっと鬱陶しかった
この飲酒のせいで
「もう……入院しよう」
そんな日が来るなんて誰も思わなかった
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