第8話 「死にたい」と「生きたい」

「お前なんか……お前なんか……」


首を絞めたきた親の顔を今でも覚えてる


それを『楽しんでいる』ように

笑いながら息が出来ないように両手で首を絞めた


『死にたかった』はずなのに


「生きていたい。殺されたくない」


必死に抵抗し続けた


「ゴホゴホゴホ……はぁはぁ……」


それでも母親は子を殺したいらしくて

包丁を取り出して振り回した


『生きたい』と思ってしまったから

命からがらで逃げ出した


『子ども110番の家』

子ども110番の家に逃げ込めば

警察に通報してくれる


そう思っていた


「それは愛情を持ってやってあげてるんだよ」

「お父さんもお母さんも心配してるよ?」

「迎え呼ぶからね」


傷だらけの身体を

腫れ上がった顔を

そんな状態を見ても何も思わないのか?


『籠の中の鳥』という言葉が似合ってたように

『ここから逃げ出せない』

『逃げたら殺される』

そう思わざるを得なかった


『ずっと奴隷でいなきゃいけないんだ』


「死にたい」と「生きたい」の繰り返しの日々


いつまで続くか分からない日々が

数十年にもなって続いていった

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