第4話 人間として

『自分のことは自分で』と言われて育てられてきた


それは『親が障害者』だからだ


『精神疾患の親』


周りの大人たちは『障害のある親』を特別扱いした


その子どもが

虐待を受けて

奴隷のように育てられ

まともに勉強させて貰えなかった


「具合悪いから自分でやっといてー」

「はい……」


自分は『人間』なのに

目の前にいる『母親の子ども』なのに


「はぁ?まだ出来てないの?」

「ごめんなさい……」

「『ごめんなさい』でね、警察は要らないの!!早くやって!!」


人間としての尊厳は?

子どもが欲しくて産んだんじゃないの?


親が障害者で

日常的に暴力を振るわれて

毎日のように泣き叫んで

あちこちに傷や痣を作って


そんな家庭環境だったから

友達なんていなかった


「気持ち悪い」

「臭い」

「菌が移る」

「貧乏みたい」

「最初から一緒に居たくなかった」

「だけど可哀想だから仕方なく一緒にいてあげたの」

「そんな子と一緒にいたんだから感謝してよね!!」


そうやって周りから人が消えってって

ぼっちになってしまった


親の周りには人がたくさんいるのに

何で自分には人が寄ってこないんだろ


『人間として』生きているのに

『人間じゃない』みたい

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